謎のメンツ ページ5
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「もしもし？」
” 花火来週やんか！！ ”
開口一番、耳がキーンとなるような
テンションの高い声で沙耶はそう言った。
「せやね」
” 行く？！ ”
「あ〜…」
丸山くんをチラッと見ると
それに気づいた丸山くんは首を傾げた。
「他の人と行く約束しちゃった…」
” あ〜ほんま？！ちょっと遅かったなぁ〜〜 ”
沙耶は残念そうに呟いた。
「…ちょっと待ってて」
” ん？ ”
私は耳元からスマホを離し、
丸山くんを見た。
「沙耶…私の友だちやねんけど、花火誘われて」
「うん。」
「…一緒にどうかな？……なんて」
昔はよく沙耶と花火大会に行っていた。
お互い仕事が忙しくなって
段々回数も減ってしまったけど。
「…や、やっぱいいや」
私と安田くんと丸山くんと沙耶、なんて
どんなメンツだよ、ね。
断ろうとスマホをまた耳に当てようとした時
「いいんちゃう？」
「え？」
「章ちゃんもいいって言うんじゃない？Aちゃんの友だちなんやし」
「そうかな…」
「Aちゃんも男2人と行くより楽しいやろ？」
「…じゃあお言葉に甘えて」
スマホを耳に当てるとすぐに
” 今のだれ？ ”
と沙耶は小さな声で聞いた。
「丸山くん。こないだ話したよね？」
” 噂の…！ ”
「花火、丸山くんと職場の後輩と行こって言ってたんやけど、今丸山くんに聞いたら沙耶も一緒にって」
” え、いいの？ ”
「正直、」
丸山くんに聞こえないように声を潜める。
「男2人と花火ってどうなんやろって思ってて」
” A真面目やからなぁ ”
沙耶は電話の向こうで笑った。
「だから行こ。ね？」
” まぁ丸山くんがいいって言うなら…職場の後輩は大丈夫なん？ ”
「多分」
” 多分って ”
「話しとく」
” わかった！浴衣？ ”
「です」
” 了解！じゃあまた連絡するわ ”
沙耶との電話を終えると
丸山くんは私との距離を縮めた。
「来るって？」
「うん。安田くんにも言っとかなきゃ」
「言っといた。全然ええよ〜！楽しみやなぁ！…だって」
「あ、ありがと」
「楽しみやなぁ」
花火なんて何年ぶりやろ
と丸山くんは空を見上げる。
真っ暗な夜の空に三日月が浮かんでいた。
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年2月1日 8時
