二人の朝 ページ27
.
思考停止して、数秒。
「あ、…おはよ」
丸山くんが目を開けた。
「お、はよ…」
丸山くんは眠そうに目をこすって
大きな欠伸を一つした。
私は、ハッとして布団から出る。
「あの…」
「…覚えてへん？」
覚えてへん？…とは？
私、なんかした…？
「えっと…」
「覚えてへんの〜？もう…」
意味ありげに唇を尖らせるから
私の背中はサーッと冷たくなった。
「…ごめんごめん。なんもないで？」
「もう…」
丸山くんは笑いながらまたごめんと言って
手を伸ばしベッドの横に座っていた私の頭を撫でた。
「頑なにソファでいいって言うからソファで寝たやろ？」
「それは覚えてる…」
「でも夜中、寒い寒いって布団に潜り込んできた」
「…ほんま？」
「うん。多分寝ぼけてたんだと思うで。布団に潜って、すぐ寝てた」
「……申し訳ない。」
どんな奇行に走ってるんだ、私は。
何もしてないとはいえ、
付き合ってもいない男の布団に潜るだなんて…
「俺もその時布団から出ればよかったんやけど、ちょっと寒くて出られへんかった。ごめんな？」
「いや、丸山くんが謝ることやないから」
「まぁそうよな？」
丸山くんは笑って、布団から出る。
「朝ご飯たべてく？」
「そこまで甘えられないよ」
「けどこれから職場行かなあかんねやろ？その前に食べていき。昨日おいしそうなパン買うてん」
丸山くんが手招きをするからついていくと
キッチンから袋を持ってきてテーブルに広げた。
メロンパンに、カレーパン、チョコパン、あんパン
甘い香りやカレーの香りが広がる。
「これ全部自分用？」
「食べすぎって言いたいん？」
「あたり」
「うるさいな！だからひとつお裾分けするんやんか！」
「じゃあ…どれもらっていいの？」
「えっとね…」
丸山くんはパンを凝視する。
あっちにこっちに視線が動いて
そんなに？ってほど考え込んだ。
そして結論を出さないままキッチンへ行き
包丁を手にまた戻ってきた。
「ごめん。選べないから全部半分に切るわ。好きなの食べて」
「ありがとう」
俺コーヒー淹れるわ、と
私に包丁を渡し、キッチンへ戻っていく。
私はパンを半分に切り、
丸山くんが持ってきたお皿に盛り付けた。
「テレビつけて。そのへんにリモコンある」
ソファに投げてあったリモコン。
ゆるい雰囲気の情報番組がうつった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるまる | 作成日時：2019年2月1日 8時
