曖昧な決意 ページ14
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「全然流れへんな」
「でしょ？」
会話もなく、
ただひたすら空を見上げること数十分。
「あっ！！」
丸山くんが声を上げ、空を指さす。
「今流れた！」
「うそ！」
「あのへん！また流れるかも！」
2人してその方向を見ていると
「「あっ！！！」」
私たちの声が重なった。
丸山くんが指さした、その方向に
星が一直線に流れたのだ。
「見えた？」
「見えた！」
「…願い事した？」
「忘れた…！！」
実際流れ星を見れたって
それにびっくりして願い事なんてできないと思う。
それができる確率と同じくらいに
願いを叶えるのは難しいということか。
「丸山くん、願い事なにするの？」
「いい人と巡り会えますようにって」
「私も。私はそれと、
亮のことを忘れられますように。って」
丸山くんは空から私に視線を移す。
「決めたん？」
「決めた。」
本当はちゃんと決断できてないのかもしれない。
なんなら、ずっと前から
諦めると決めていたけれど。
でも、今、言いたかったのだ。
誰かに私の固まったのか固まってないのか
よくわからない決意を聞いてほしかった。
「俺もそれ願お。」
「…不倫の人…？」
「そう」
丸山くんは苦笑いを浮かべる。
「多分俺も諦めきれてないからやと思うねん。何年も彼女作らへんのは、それが証拠」
「…流れ星見つけようか」
「せやな」
また空に目を向けた時、
ポケットの中のスマホが震えた。
取り出して、画面を見ると
「え、」
それは亮で。
” 今ペルセウス座流星群見てんねん ”
” 3つ見つけたで！ ”
” 昔流星群見ながらメールしたよな。覚えてる？ ”
…どんなタイミングやねん。
「Aちゃん？」
「…ほんま亮ってずるい…」
諦めようとしてんのに。
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年2月1日 8時
