鳥籠のお嬢様と犬顔の執事【片寄涼太】

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準備を終え、家から出る



玄関前には涼太が運転しているロールス・ロイスが



これで学校行くの恥ずかしくて仕方ないんだけど



お嬢様学校と呼ばれる部類だから車で来ている生徒はいっぱい居る



でも執事が運転しているとなると少なくなるし、ここまでの高級車はほんのわずか



しかも大体の執事は貫禄あるおじいちゃん系とかだし、こんなイケメン執事がいるのは私くらいのもの




同級生達から羨ましいと言われるけど、誰にも渡す気は無いし？




後部座席に乗り込み、シートベルトをする



本当は助手席に座りたいんだけど…それ言ったら涼太に怒られたから



事故った時危ないからだって



私のこと考えてくれてるんだとはわかるけど、やっぱり寂しい




『ねえ涼太じょしゅs…』



｢駄目です｣



『ですよねー…』



妙に重くなった空気の車内に辟易しつつ、動いてゆく景色を眺めた



｢お嬢様、到着致しました｣



『あ、うん』


気づけば学校とは到底言い難い豪華な門の前に到着していた




涼太のエスコートで車を降りる



そんな時に触れる手にもドキドキしたり



…私、単純だ



『いってきます』



｢いってらっしゃいませ｣



そう言って優しく微笑んでくれる



この笑顔に毎日ときめいてしまう私は一体なんなんだろう




｢あ、Aーー！おはよー！｣



『玲華！おはよー』



｢相変わらず執事さんイケメンだね〜いいなー｣



『イケメン執事は私の特権なんで？』



｢は、なにそれずるっ｣



そう言って二人で笑い合う



この人は私の親友の玲華



お嬢様という名にはあまり似つかない自由奔放な性格をしている




ベリーショートにした髪がとても似合う溌溂な彼女



「ねえ聞いてよまたうちのジジイ怪我してさー」


『え、嘘そんなことあんの？』


彼女の言うジジイとは彼女の執事のことを言っている


玲華の姉(22)が産まれる前から仕えているというからかなりの年齢のはず



毎日毎日うるさいんだってさ。大変だね玲華も



教室に入ってホームルームが開始される



うちのクラスの担任は生憎学校一嫌われている先生だ



ハゲてるし顔きもちわるいし性格悪いし授業長いしJK愛好家だし…



なんでこいつ教師になったん？っていろんな人からツッこまれてる



友達によるところどうやら私のことをいやらしい目で見てるらしい。自覚ないけど



え？もしなんかあったら？そんときは涼太が助けてくれるっしょ！

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