『私がお前を護るから……』 ページ29
結局、夏目はあの日からAと会えずにいた。
この一週間、八ツ原の妖たちに訊いてまわったり、時には一緒に捜してもらったりと学校が終わったあとなどの時間の合間をぬっては捜した。
それでもAは、誰の前にも姿を現さなかった。
休日の今日も、夏目はあの森でAの姿を捜していた。
「おい!お前はパルケノの標的になっているんだぞ!!わかっているのか!?」
ニャンコ先生には最近ずっと同じことを言われていた。
そして夏目も同じことを繰り返すのだった。
「それはAだって同じことだろ!捜さないと……!」
「阿呆!あいつもそれくらいわかっていて隠れているにきまっている!」
「俺はそう思えないんだ。Aは一人で、あいつと戦おうとしているんじゃないかって……そう思うんだ」
「このお人好しが!!」
ザッ……と風が吹き、ガサガサと森が騒ぐ。
何枚もの葉が渦を巻くようにして舞い上がり、落ちた葉が足元を滑る。
風がやみ、静止した枯れ葉を踏みしめた途端に、その足を止めた。
「……パルケノ……」
「サア、コロシニキタヨ。ナツメ……マダラァ………!!」
「チッ、面倒な!!」
斑の姿に戻ったニャンコ先生。
「去れ!!」
獣の目をした斑は、そう叫んで額を光らせた。
しかし、いつもと違い、その光はきかなかった。
「コロス、コロス……!」
闇のように黒く強い力を纏い、疾風のごとく向かってくる。
その時、二人の前に影が現れた。
「A……!」
姿を見せずにいたAだった。
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パール(プロフ) - 那七奈菜^^^^^^^^^^^^さん» もちろん、頑張っていきます! (2017年5月11日 22時) (レス) id: 989ff44c28 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 澤濡さん» ありがとうございます! (2017年5月11日 22時) (レス) id: 989ff44c28 (このIDを非表示/違反報告)
紫機 - 澤濡さん» 頑張るぜ! (2017年5月10日 22時) (レス) id: 0a15b87590 (このIDを非表示/違反報告)
那七奈菜^^^^^^^^^^^^ - 面白一世これからもがんばってー\\ (2017年5月10日 17時) (レス) id: aa36e3d97e (このIDを非表示/違反報告)
澤濡 - 面白いですね^^これからも頑張って下さい^^ (2017年5月9日 17時) (レス) id: aa36e3d97e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫機&パール x他2人 | 作成日時:2017年3月28日 17時