46.【歪み】 ページ46
そういわれてみれば、私が知っている【鋼の錬金術師】とは話が微妙に異なっている。
『それだよ。この世界には色々な矛盾が次々と生じているんだ。【時空の歪み】のせいでね。』
時空の、歪み…?
それはどういうことだ。
『さっきも言った通り。【歪み】が矛盾を生み出している。【歪み】は、存在してはならない。』
なぜ私にその【時空の歪み】のことを話すのか。私に話したところで、それが消えるわけでもあるまいに。
『そこで旅の目的だよ。
あんたには【歪み】を解消してもらいたいんだ。』
歪みを解消?
聞くからに大層なことではないか。
そんなことを…私には、それを成し遂げるだけの力量は…
『あるよ。あんたがそれに気づいていないだけで。』
【気付いていないのなら気付けばいい】と、そう言われるがそうもいかない。
気が付くためのきっかけがどこに転がっているかも分からないのだから。
『じゃあ、こう考えてみたら、少しはやる気が出るんじゃないかな?
あんたは、“現実世界のあんた”じゃない。
今のあんたは、“錬金術世界のあんた”なんだ。』
何を言っているのか、最早意味不明だ。
とにかく、独自に解釈をしてみると…
今の私は、私がいた現実世界のパラレルワールドに当たる世界の私だということだろうか。
『まあ、そんな感じかな。
あんたが気付かなくても、周りの奴らが助言してくれるよ。きっと教えてくれるさ。』
『まずは錬金術世界での土台を固めろ。自分の立場を作っておきなよ。』
『【歪み】の解消方はいずれ教える。』
私が気付いていない才能や【歪み】の解消方をいずれではなく今教えてくれと言いたかったのだが、その前に真理は消えた。足元が揺らぐ。その一瞬で、私は元の路地に戻っていた。
「・・・今のは何だったんだ…?」
その【歪み】の解消方を自分なりにしばらく考えていたが、特に大した案も出ず。
私は司令部に行かなければならないことを思い出し、また司令部に足を向けた。
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小松 翠(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 作者としては、面白いのはここまでのように感じてしまうんですが…面白いと感じてもらえて良かったです! 小さいのもエドの長所だと、私は思っていますよ…(笑) 小説の閲覧、そしてコメントをありがとうございます。とても励みになります。 (2017年7月23日 10時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - なんか、とっても深くておもしろかったです!真理も色々あるのかな?夢主ちゃん頑張れ!エドは意外といろんな面で小さいぞw小説頑張って下さい! (2017年7月23日 10時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - アザミとヒマワリさん» トリップなんてしたことはないので、本当にそうなるかは分かりませんが…他の夢小説では夢主がエドたちとすぐに打ち解けていたので「それなら私が逆を行ってやろう!」と思い、書かせていただきました(笑) この小説をお読みくださって、ありがとうございます。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
アザミとヒマワリ - トリップの現実を知りました・・・。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - もちもっちーさん» こんな作品を面白いと言ってくださる方がいらっしゃるなんて、感動です!ありがとうございます! (2017年3月19日 22時) (レス) id: b7dab0506b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小松 翠 | 作成日時:2017年2月28日 0時