35.処分待ち ページ35
「あなたの処分はまだ決定されていないから、
しばらくはこの部屋にいてちょうだいね。」
処分。ということは、まさか、次に私が連行される場所は…
「安心して。あなたは無実ということになっているわ。
あなたが投獄されたという記録も抹消されているし、処分なんて堅苦しく言っているけれど、要するにこれからどうするかってことよ。」
私は安堵の息をもらした。
またどこかで拘束されるのかと思ってヒヤヒヤしてしまったではないか。
ところで、これからどうするかといっても、どうするんだろう。
まさか、施設に預けられたり、養子にされたり、だったら嫌だな。
せっかくのトリップなのだから…
エドワードと一緒に旅をするとか、軍部で雑用として使われるとか、リゼンブールのロックベル家でお世話になるとか…
そういった方向にことが動けば良いな。
昼休み。司令部で働く人間に与えられた休憩時間だ。軍の食堂で済ます者も多いが、中には昼食を買いに出る者もいる。
私はハボック少尉をはじめとした愉快な部下たちに連れられて街に弁当を買いに行った。軍の食堂に行ったほうが場所的にも近くて便利なのだが、私のような軍属ではない者が軍施設に入り込んでいては不審がられる。よって、わざわざ私のために外まで出てきてくれた。
(執務室から外に行くまでは人の目につかないようコッソリ移動した)
「なあ、お前さんはパラレルワールドってとこからきたんだろ?」
話しかけてきたのはブレダ少尉だ。
「異世界人から見て、この国はどう見える?」
初めて鋼の錬金術師を読んだ時は…
そう。
「なんて言えば良いのか分からないですけど、ものすごくきれいな街並みで、優しい人が多い国。そう思いました。錬金術なんて、私の国にはなかったのですごくかっこいいです。
でも…」
イシュヴァール殲滅戦…
「この国に人種差別があることを道中出会った人に聞きました。私の世界でも昔は差別が酷かったです。この国はとても良い国です。
だから、誰かがこの国を変えていくべきだと思います。もちろん、良い方向に。
これも司令部に来る道中、聞いた話ですが、今の大総統は少し戦争をしすぎだと思います。」
変えていく。原作ではイシュヴァール政策のこともあり、良い方向に向かっていくだろう。
この世界線はまだ、決戦の時は迎えていない。
この世界は原作を辿るのか…それとも、あの
悲しい結末を迎えるのか…
どうでもいいけど、一期ほどシリアスなら、いっそどシリアスなのが良い。
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小松 翠(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 作者としては、面白いのはここまでのように感じてしまうんですが…面白いと感じてもらえて良かったです! 小さいのもエドの長所だと、私は思っていますよ…(笑) 小説の閲覧、そしてコメントをありがとうございます。とても励みになります。 (2017年7月23日 10時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - なんか、とっても深くておもしろかったです!真理も色々あるのかな?夢主ちゃん頑張れ!エドは意外といろんな面で小さいぞw小説頑張って下さい! (2017年7月23日 10時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - アザミとヒマワリさん» トリップなんてしたことはないので、本当にそうなるかは分かりませんが…他の夢小説では夢主がエドたちとすぐに打ち解けていたので「それなら私が逆を行ってやろう!」と思い、書かせていただきました(笑) この小説をお読みくださって、ありがとうございます。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
アザミとヒマワリ - トリップの現実を知りました・・・。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - もちもっちーさん» こんな作品を面白いと言ってくださる方がいらっしゃるなんて、感動です!ありがとうございます! (2017年3月19日 22時) (レス) id: b7dab0506b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小松 翠 | 作成日時:2017年2月28日 0時