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21.研究所へ ページ21

〜Aside〜

「うわぁ、やっぱり。」

第5研究所のそばに建つ建物の陰に隠れながら、研究所の様子を伺った。

「厳重、だね…
今は使われてないって、看守さん達が話してたのに…」

さて、どこから忍び込むべきか。
私はエドワード達が使ったであろう有刺鉄線を探した。

「ぁイタァッッ!!」

大声を出せば見つかってしまうかもしれないので、ほとんどが息で構成された無声のかすれた悲鳴を上げた。

わかっていたさ。
あのエドワードも『生身じゃなくてよかった』なんて言うくらいなのだから。

「ねぇ、やっぱり別の方法を考えない?」

痛みに震える私の様子を見たメリッサが、困ったように眉を寄せて私を見た。

「だめっ!!他の場所は、なんか当たるとよくわかんない仕掛けが飛び出す糸とか張られてるし、監視カメラ的なの付いてるし!!」

そんな中を通ろうだなんて、メリッサは度胸があるのだろう。(メリッサはそれらの仕掛けを分かっていないだけであった)
とある少尉の言葉から、【女は度胸】とも言うし。

私たちは囚人服という弱っちい装備でなんとか有刺鉄線をクリア。壁を登って侵入に成功。
だが、早くも手足は傷だらけ。
しかし、【傷だらけだから】なんてことで弱ってる程私は乙女夢主な女じゃない。
そりゃあ、もう帰りたい。手当もしたいから。
普段のマトモな靴なら、まだ怪我も少なかった筈なのに。
弱っちい装備とか言う今の私の格好は、薄汚れた白の長袖、長ズボンに茶色の靴。
この闇夜に潜むのに、どちらかと言えば白に近いこの色は向いていないし。
メリッサの場合、髪の色までプラスされるものだから、目立つのなんの。
ここまで見つからなかったのは、奇跡だ。

私はメリッサにエドワードと同じ道を辿ることを提案した。しかし、まずいことを思い出した。

エドワードが通気口へ入って行った後、アルフォンスはそこに残り、No.48ことバリー・ザ・チョッパーと戦うはずだと、たった今思い出した。
流石にあのような戦いに巻き込まれようものなら、私のような一般人は百パーセントで即死なので、仕方なく通気口ならもう一つくらいあるだろうと、別の道を探した。

そして見つけた。
穴のサイズはメリッサが本当にギリギリ通れるくらいである。
私には少し余裕があったが。
メリッサが身体を小さくして先に通気口へと入る。
私は体が小さくて良かった。
通気口から侵入する時に、エドワードが小さい自分を自己嫌悪した気持ちも分かる。

〜A side end〜

22.侵入→←20.研究所へ (Edward side)



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設定タグ:鋼の錬金術師 , トリップ , ハガレン   
作品ジャンル:アニメ
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小松 翠(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 作者としては、面白いのはここまでのように感じてしまうんですが…面白いと感じてもらえて良かったです! 小さいのもエドの長所だと、私は思っていますよ…(笑) 小説の閲覧、そしてコメントをありがとうございます。とても励みになります。 (2017年7月23日 10時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - なんか、とっても深くておもしろかったです!真理も色々あるのかな?夢主ちゃん頑張れ!エドは意外といろんな面で小さいぞw小説頑張って下さい! (2017年7月23日 10時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - アザミとヒマワリさん» トリップなんてしたことはないので、本当にそうなるかは分かりませんが…他の夢小説では夢主がエドたちとすぐに打ち解けていたので「それなら私が逆を行ってやろう!」と思い、書かせていただきました(笑) この小説をお読みくださって、ありがとうございます。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
アザミとヒマワリ - トリップの現実を知りました・・・。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - もちもっちーさん» こんな作品を面白いと言ってくださる方がいらっしゃるなんて、感動です!ありがとうございます! (2017年3月19日 22時) (レス) id: b7dab0506b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小松 翠 | 作成日時:2017年2月28日 0時

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