１９.推測の確定２ ページ19
〜Edoward said〜
オレたちは宿を抜け出して、第5研究所に向かってる。
部屋で待っているようにと言ってくれたロス少尉とブロッシュ軍曹には悪いけど。あと少佐にも。
なるべく人に見られないように、人通りの少ない路地などを選んで進む。
アルとの会話は必要最低限に抑えている。無駄に話し声を立てて、誰かに見つかっては抜け出してきた意味がなくなってしまうから。
足音を抑え、声も出さずにいると、図らずとも周囲の音がよく聞こえてくる。
「ここ・来・・追・・・もう
大丈・そう・ね…」
「う・…
ありが・うね、」
例えば、今のように風に乗って人の話し声が聞こえてくることも。
思わず側にあったゴミ箱の陰に隠れた。
こんな夜中の路地に人がいるなんて思っていなかった。しかも…
「兄さん、あの子たち…」
「ああ。誰だか知らねーけど、
ここにいられちゃ困るな…」
ストレートに『ここから離れろ』
なんて言っても、きっと不審がられるだけだから、アルのサポートも入れながら、あくまでも【さりげな〜く】誘導することにした。
「何してんだよ、お前ら。」
2人に声をかけた。
突然だったから、ビックリさせちまった。
近くで見ると、長い黒髪とクリーム色の女だった。
オレと同い年くらいだろうな。多分。
気まずそうに振り返ったその顔は、
どこかで見たような気が…
・・・あ、そうだ！
ちょっと前に会った遠い国から来たっていう…
それと、もう1人もどこかで…
「あ、貴女、1年前くらい前に新聞に出てましたよね。確か、メリッサさん。
イシュヴァールとの混血で、おまけに密入国で逮捕されたとか。」
そうだ。おまけに二、三年前逃げ回っていう女。
同い年くらいだろうだから、12くらいの頃から犯罪者か。
苦労してんのな、オレたちも、だけど。
とにかく、こいつらはさっさと刑務所に戻さなきゃならない。
余計な手間かけさせやがって…
オレたちが連れ戻す的なことを言っている最中、黒髪の方はどこか上の空。
全く聞こえていないみたいだ。
「お前らを刑務所に返すって言っ…て…」
「どうしたの？兄さん。」
刑務所…
さっきアルが言っていた、丁度一年くらい前に密入国で死刑が決定された女の子。死刑というそれを聞いた時、『密入国如きで死刑なんて。』とか思っていたんだ。つまり今オレの目の前にいる金髪の方の女は死刑囚。
そして、オレが考えた賢者の石の材料は…
石の材料…刑務所…
「な、なあ！お前らはどこの刑務所に
いたんだ？！」
２０.研究所へ (Edward side)→←１８.推測の確定
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小松 翠(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 作者としては、面白いのはここまでのように感じてしまうんですが…面白いと感じてもらえて良かったです！ 小さいのもエドの長所だと、私は思っていますよ…（笑） 小説の閲覧、そしてコメントをありがとうございます。とても励みになります。 (2017年7月23日 10時) (
レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - なんか、とっても深くておもしろかったです！真理も色々あるのかな？夢主ちゃん頑張れ！エドは意外といろんな面で小さいぞｗ小説頑張って下さい！ (2017年7月23日 10時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - アザミとヒマワリさん» トリップなんてしたことはないので、本当にそうなるかは分かりませんが…他の夢小説では夢主がエドたちとすぐに打ち解けていたので「それなら私が逆を行ってやろう！」と思い、書かせていただきました（笑） この小説をお読みくださって、ありがとうございます。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
アザミとヒマワリ - トリップの現実を知りました・・・。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - もちもっちーさん» こんな作品を面白いと言ってくださる方がいらっしゃるなんて、感動です！ありがとうございます！ (2017年3月19日 22時) (レス) id: b7dab0506b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小松 翠 | 作成日時：2017年2月28日 0時
