１７.再会 ページ17
よくよく考えれば、エドワードは結局石を錬成しなかった。
流れに任せていれば助かったのでは、と今更思った。やっちまった大賞だ。
さて、私たちには行く宛が無い。
だいたいの夢小説なら軍部に向かうだろうが、私たちはその軍部に捕まったのだ。
そんな状況で軍部になんか行ってみろ。
ただでさえ罪を犯した事にされているのだ。
その上、私たちがここにいるのは、たった今
脱獄してきたからで、その脱獄という罪も加算されて…
いや、こんなことを考えるのはやめよう。
先程までは追っ手もいたということは、既に
軍部に連絡がいっていると予想がつけられる。
「どうしようか、エリクシー。」
「私の記憶だと、これから賢者の石を造るはずなんだ。第５研究所で。
だから第５研究所の近くは危ない。
多分軍も動くと思うから。」
「じゃあ、その研究所からは離れたほうがよさそうなのね。」
「そーいうこと。」
こんな調子で私たちはこの辺の地理に詳しいわけでもないのに、適当に歩き出してしまった。
この間にも、アニメ主人公たちは
シナリオ通りに進んでいる。
走った時に先頭を行くのは私だったが、歩き出した時、先頭を行くのはメリッサだった。
私は、てっきり彼女が道を知っているものだと思い込み、着いて行った。
このような言い方をしたのだから、
みなさんお察しだろう。
案の定、『迷子』である。
その事実が発覚し、どうしようもなく途方に暮れていた時だ。
「何してんだよ、お前ら。」
背後から声をかけられた。
なぜここにいるのか。
私は真っ先にそれを問いたかった。
彼らは既に研究所内にいると思って
いた。しかし、まだだったようだ。
「お前、東洋の島国から来たっていう奴じゃねぇか。」
私を見た二人は、すぐに私の隣の人物に意識がいったようだ。
アルフォンスがメリッサを指して言う。
「あ、貴女、1年前くらい前に新聞に
出てましたよね。確か、イシュヴァールとの
混血で、おまけに密入国で逮捕されたんだ。」
「そうそう。見た目じゃ分かりにくいから
後からイシュヴァール人ってことが分かって…おまけに二、三年前逃げ回ってな。」
そういえば、イシュヴァール人は決められた場所で生活しなきゃいけないんだったか…
二、三年前。それと逮捕されて新聞に出たのが一年前。つまりメリッサは12歳前後の頃から
追われる身となり国中を駆け回っていたのか。
「おい！聞いてんのか？！」
「え？ああ、ごめん。考え事してて聞いてなかった。」
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小松 翠(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 作者としては、面白いのはここまでのように感じてしまうんですが…面白いと感じてもらえて良かったです！ 小さいのもエドの長所だと、私は思っていますよ…（笑） 小説の閲覧、そしてコメントをありがとうございます。とても励みになります。 (2017年7月23日 10時) (
レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - なんか、とっても深くておもしろかったです！真理も色々あるのかな？夢主ちゃん頑張れ！エドは意外といろんな面で小さいぞｗ小説頑張って下さい！ (2017年7月23日 10時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - アザミとヒマワリさん» トリップなんてしたことはないので、本当にそうなるかは分かりませんが…他の夢小説では夢主がエドたちとすぐに打ち解けていたので「それなら私が逆を行ってやろう！」と思い、書かせていただきました（笑） この小説をお読みくださって、ありがとうございます。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 1bf852082a (このIDを非表示/違反報告)
アザミとヒマワリ - トリップの現実を知りました・・・。 (2017年7月23日 9時) (レス) id: 7f2420204c (このIDを非表示/違反報告)
小松 翠(プロフ) - もちもっちーさん» こんな作品を面白いと言ってくださる方がいらっしゃるなんて、感動です！ありがとうございます！ (2017年3月19日 22時) (レス) id: b7dab0506b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小松 翠 | 作成日時：2017年2月28日 0時
