エースとサボの恋愛観についての考察 ページ17
二人とも育った環境が違うから考え方が全然違うんだけど、お互い歩み寄ろうとしている姿が見たいです
死ぬ直前に愛を叫んだエースは多分性善説派
愛を理解したと思った瞬間現実に引きずり込まれたサボは多分性悪説派
…Sの場合…
愛とは素晴らしい。すべての行動の言い訳にできる非常に便利な言葉だ。
「愛しているから」「愛こそ」「愛ゆえに」「愛があるから」
気持ち悪くて吐き気がする。
そんな訳ないのだ。
人が他人を心の底から愛することは断じてない。
人が他人を魂に刻むほど愛することはありえない。
抱くのは嫌悪だ。
心の底からの拒絶。魂に刻むほどの軽蔑。
そんなマイナスの感情だけが、人間の持つ感情のなかで唯一信用する価値がある。
他人に嫌悪を抱かない人間が、他人に好意を抱けるわけがない。
なぜなら好意は決して嫌悪の対義語ではなく、あくまで対極だから。
家族愛も隣人愛も、結局は滑稽な夢でしかない。
自分が関わっていようとそれは揺らがない。
たとえ気のいい仲間に囲まれようと、たとえまっすぐで優しい弟がいようと。
たとえ大好きな相棒兼恋人がいても。
彼に嫌悪されることを恐れ、軽蔑されることを怯えて、拒絶されることを案ずる。
俺が信じるのは負の感情だけ。
それでも彼に「愛している」と言われれば、信じてみたくなる。
結局一番気持ち悪いのは俺だ。
…Aの場合…
愛に価値などない。それは人が生まれながらにして持っているから。
人は得てして形のないものに夢を抱きがちであるが、愛などその典型だ。
「愛のため」「愛があれば」「愛を込めて」「愛をくれ」
くだらなくて笑える。
そんな訳ないのだ。
人は生まれながら誰かに愛されている。
自分を求めてくれる人は必ずいる。
人を愛する意味なんて誰にもわからない。
人を愛する理由に正解なんて存在しない。
愛は抱くのではなく初めからそこにあるだけだ。
嫌悪など、愛がなければ成り立たない。
嫌いになるのは愛していたから。初めから嫌いならば、それはそもそも嫌いとも思わない。
もう分かるだろう。
親父たちへの家族愛も然り。弟や育ての親たちへの思慕も然り。
相棒であり恋人である唯一の相手への傾慕もまた。
彼らを嫌うことはあっても、愛さないことは無いだろう。
たとえ拒絶されたとしても、そこに感じるしたたかな愛情と優しさに今一度惚れ直す。
結局一番愛にほだされたのは、愛に飢えた俺だったのだ。
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性善説：人は生まれながら善である
性悪説：人は生まれながら悪である
コピペネタ７→←鬼の子と呼ばれて嫌われるエースと、助けたいサボ
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作者名：piece OF cake | 作成日時：2020年12月5日 1時
