【エーサボを】SSつめこみ【ください】 (ページ12)

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続・男子高校生の日常パロ２ページ12

どこかの高校の制服を着ている青年は、不思議な帽子をかぶっている点を除けば長身でスタイルも良いし、夜の闇を背負って立つ姿は確かに様になってはいる。

しかし、完全な勘違いでもあった。

別に言い寄られているわけでもないし、いかがわしいお誘いをしているわけでもない。
ただ備品の貸し借りについての交渉をしているだけだった。

しかし、そんな事情を知りもしない学生は淡々と語る。

「なあ、おい。聞いてんのか」

エースたちは少なからずこの状況にショックを受けていた。

確かにエースは人相が悪く、サボは地毛ではあるが金髪、サッチは全身から軽薄さが漂っているが、さすがに女子高生相手に言い寄るほどの人間ではなかった。

ましてや相手はコアラ。

サボにとっては幼馴染以外の何でもないし、サッチとエースは一度彼女に投げ飛ばされたことがある。

(……そのコアラに)

(俺たちが)

(よからぬことをするわけねぇだろぉおおお)

といっても、それを言ってしまえば今来た彼が恥をかいてしまうのは目に見えた。

三人は無言で目を合わせて頷く。男子高校生の団結力。

「あ”んだァテメェ”ーー！」

「しゃしゃってんじゃねぇぞゴラア"ア"ア"」

「その帽子ボゴボゴにすんぞあ”あ”？」

できる限り人相悪く、ガラ悪く、頭悪く、そう叫んだ。

「……暴力は避けてぇが、そっちがその気ならしかたねぇ」

エースはできる限り無駄な時間をかけて、青年に殴り掛かる。

当然青年は軽くいなして、続くサボとサッチの攻撃も避けた。

それから三人にそれぞれパンチ、キック、関節技と決めて(本人たちが避けなかった)、彼らは(自発的に)地面に倒れこんだ。

「おいアンタ、行くぞ」

コアラに手を伸ばす青年の姿を見て、エースたちは一仕事したかのような顔をする。

(うまくいったな)

(俺たちが実は知り合いなんて言ったら、そいつの面目丸つぶれだからな)

(いけ、コアラ。そのままソイツとここから離れろ！)

しかし、肝心のコアラといえば。

「…………？」

(もしかしてアイツバカなのか?!?!??!?!?!)

「ねぇ君、この人たちは……」

まずいっ！、と、サボはとりあえずコアラに向かって制服のバッジを思い切り投げた。

放物線を描くそれは見事にコアラの頭にぶつかる。

「ん!!??」

とコアラが顔をしかめるが、次におお！と気づいたような顔をした。
気づいたか、と三人が安堵するより早く、コアラの回し蹴りが少年に炸裂する。

「なにすんのよ!!!!」

「そうじゃねぇだろォおおおおお?!」