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巫女のお姉ちゃん。 ページ1

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「……連絡はこれで終わりです。よそ見をせず、真っ直ぐお家に向かって帰りましょう。起立!では、さようなら!」

「「さようなら!」」


能天気にチャイムが鳴り、いつもの長い退屈な終わりの会がやっと終わる。挨拶とともに俺は急いでランドセルを背負い、甘ったるい声をかけてくる女どもを無視しながら、一目散に教室を出る。廊下を走って下駄箱に向かっていると、どこからか「こらー!」と怒鳴り声が聞こえてきたが、当然無視する。お前らに時間を割いてる暇はねえんだよ。てか、正直言って無駄すぎる。


「…だから学校は行きたくないって言ったんだ」


ため息を吐きながら上履きから運動靴に履き替え、校門前で止まっているリムジンに真っ直ぐ向かう。「おかえりなさいませ」とぺこりと頭を下げる執事に、ランドセルを乱暴に押し付けた。遊びに行くと一言告げば、執事は顔をぐしゃりと歪ませた。


「…悟様。最近、門限ギリギリまで遊んでおられますが、勉学の方は大丈夫なのですか?跡継ぎとしての自覚はありますか?」

「うっせえな。俺を誰だと思ってんだよ」

「悟様」

「親みたいなこと言うんじゃねえよクソジジイ」


そうあっかんべーをし、ふんと背を向ける。

頭にきたのか、顔を真っ赤にしてぎゃーぎゃーと何か言っている執事を無視し、急いでいつものあそこへと向かう。あいつのせいで、貴重な数分を無駄にしたじゃねえか。ぶつくさと文句を呟いていると、いつの間にか目的地に着いていた。それにしても…


「いつ見ても気味が悪い場所だな」


錆びついた柵の先にある真っ暗な雑木林を見て思う。

お姉ちゃんはいつもこんな寂しい場所にいたんだと思うと胸がキュッと締め付けられる。周りに人がいないことを確認し、音を立てないように、素早く柵を開けて、雑木林へと入っていった。

いつものように険しい獣道に沿って歩いていくと、周りに苔に覆われている動物の石像やぼこぼこの石道が現れる。更に進んでいくと俺の10倍ぐらい大きな鳥居が出迎えてくれる。その下には、俺の大好きな巫女のお姉ちゃんが箒で落ち葉を集めていた。


「あれ、五条くん!今日も遊びに来てくれたの?」

「…うん。暇だったから」


お姉ちゃんは俺の存在に気づくなり、嬉しそうに微笑んで「いらっしゃい!」と、箒を動かす手を止めて、駆け寄ってくれた。

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作者名:いぬぬわん。 | 作成日時:2024年3月17日 21時

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