量産呪物 ページ12
狗巻棘「どうした?昨日より体調が悪そうだぞ。」
「そう、だな...」
____あの島から離れて数日。充分な休息は取っているのに、妙に疲れを感じてきた。魔眼の作用ではないことも分かっている。
ちゃんと眠っているし、ご飯も食べている。まだカルデアに留まっていた時の方が、体調もすこぶる良かった。船に乗る前さえも。
「(何故?何か仕掛けられたか?それなら私もカルデアも察知しているのに...いや、それを誤魔化すようにやられたか。)」
乙骨憂太「今の兵士...何か...」
私の体調は最早どうでもいい。ローマへの帰還途中、敵兵に襲われた。その敵兵からは人間と断定できる何かが感じ取れず、かといってサーヴァントでもない。怪物でもない。
「(あ...)思い出した...」
藤丸立香「えっ?」
「イスカンダル...彼の宝具は、彼の臣下を呼び出すものなんだ。結界に敵を閉じ込め、敵を殺す。敵にはそれと同じようなものを持つ者が、いるかもしれない。人でもサーヴァントでもないのはそれだ。」
『なるほど...!記録を読み返してみたけど、確かにウェイバー...先生が使役したサーヴァントは、そういう宝具を使ったって書いてある。』
戦場で発揮されるものだ、これは。相手はイスカンダルより下ではあるが、それでも兵士たちを召喚できることに変わりはない。
「確定したな...レオニダス、よく数百の兵士を用意できたものだな。お前の宝具は300の兵士を召喚し、歴史通りの強さを敵に見せつけるものだな。」
レオニダス「真名看破...ルーラーか?」
「ライダー兼マスター、魔力で察しろよカス。」
藤丸立香「カスって言った?すごい人に暴言吐いたよこの先輩!?というか魔力で察するって無理だよね!?」
カウレス「化物一家しか無理だなー。ちょっとした魔力で個人特定とか、スヴィンとコイツだけ。」
フラット「(フランスパン食べたい)」
「同時に己を、マスターを護る強固な盾にもなる。マスター様の匂いさえ混じってなけりゃ、お前も良い英霊だったのになァ。」
強固、まさにスパルタ。しかしあれは英霊にあらず。
「その宝具もいいな。」
乙骨憂太「くれないかな、それ。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2022年2月10日 21時