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アルターエゴ「あえ?いあい。」

微かに香りがする、けど...分身たちで誤魔化されている。

アルターエゴ「アレも裏切り認定ってことでいいですね♡」



キャスター「アサシン...あった、アサシンの指...アサシン、私を助けてくれるよね...!」

「......」

キャスター「......」

コイツさえ喰えば、この傷もすぐに癒せる。警戒はされているが、今みたいに助けを乞えば簡単に受け入れてもらえる。

それからコイツを差し出せば許される。その前にビーストにさえなれば......

「大丈夫?」

キャスター「は?」

「えっ、あの...すごく怪我をしているから。名前は?クラスは?」

キャスター「......ハハッ」

コイツ、記憶がないのか。少なくともこの世界の記憶のみ。

「ッ!?」

キャスター「動かないで。動いたらこの刃でアンタの首を落とすから。」

「......お腹、すいたの...?あの...パン、なら...」

キャスター「お前がお前を差し出さないから!!!私は裏切り者として判定されたんだよ!!!」

「裏切り者...?」

キャスター「私がビーストにさえ昇華できれば...アルターエゴに殺されない...」

「......食べる?私の肉。そしたら味方になってくれる?」

キャスター「なるものか!!!私はビーストという獣になり、仲間外れにならないよう上手いこと生きてやるんだ!!!」

「一度裏切り者と知られたら、二度と戻れないって聞いたよ。それでも戻りたいの?」

キャスター「......」

「食べて、私のこと。あなたのことは皆に秘密にするから、食べたらこの層のどこかに隠れてね。」

記憶がないだけで、こんなお人好しになるものなのか。普通ならありえない。絶対にありえない。私のことは女神と同一の存在と理解してるくせに、その上で私に優しくする。

バーサーカー「マスター、なんか奇妙なものを感じるんだが。」

「...!な、なんでもないよ!バーサーカーは地上に行ったって聞いたんだけど...!」

バーサーカー「アルターエゴが裏切り者二名を殺すーなんてほざいてたんだ。だからキャスターにその可能性があると思って...お前、太ってたっけ。」

「妊娠した!」

バーサーカー「へー...赤子って、成長すると腹から胴体が出てくるんだ。またなー。」

キャスター「......」

「......誤魔化せた。」

キャスター「普通は無理でしょ...」

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作者名:琲世 | 作成日時:2021年12月26日 18時

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