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春「元の吉原遊廓も、同じようなものだったよ。この運命から逃れたいと強く願った女たちは、その街に自ら火をつけた。周りの犠牲より、自分の自由を優先する。人の美徳ではあるけれど、同時に人の醜さを証明できる事件でしかない。平成まで続く遊廓だから...今のところ百件は越えてるな。」
ホームズ「そうか...自由を強く縛られた現代では、放火という手を使わなければ脱走は不可能と。」
春「逃がしちまった遊女は射殺して、恐怖による支配を絶対とした。......だが、残った分身ども...餌を撒きやがった。俺の予想が当たれば、そろそろ吉原遊廓は火の海となる。死人も多く出るだろうな。」
マシュ「そんな...あの門番の人も、この街の人も死んでしまうのですか!?あの人たちは...!」
春「お前らの物語も事情も知らん。見捨てろ、見捨てなければお前らが死ぬぞ。その半神の命だけならともかく、お前らが死んだら世界は終わるんだろ。生きろ。半神も生きたいなら生きてみせろ。俺のような男の物になりたくないなら、足掻いて生きてみろ。」
「......」
春「戦えないなら逃げろ。その足はなんのためにある?救えない命のために、自らの命を無駄にするためか?違う。お前らが本当に賢いのなら、本当に世界を救いたいなら、この世界の命は諦めてしまえ!」
「でも...皆が救いたいって言ったら、私は救う。今は、人任せの決断ではあるけれど...私はそうしたい。」
春「......どこまで行ってもクソだらけだな。俺はあの人を救うため、お前らが少しでも生き延びるよう努力する。あまり俺を疲れさせるなよ。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年12月26日 18時