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「...おべろん、もるが、」
モルガン「しっ。......やはり、な。女は一定の歳になれば必ず孕み、子を産まなければならない。男として産まれたなら、永遠の労働が約束される。女として産まれたなら、赤子の時点で遊廓送りが約束される。荊軻、マタ・ハリ、虞美人......あの三人を追うぞ。」
ホームズ「カルデアとの通信は途絶していない。三人の居場所が分かるまで、しばらく待つとするか。......マスター、どこか休める場所を」
「ここで...いいよ...」
ホームズ「彼らに対して失礼だが、死体だらけの場所では不衛生すぎる。」
オベロン「死体の近くではあるけど、比較的整ってる場所ならあるよ。」
「...じゃあ...そこで、休もっか。」
虞美人「戻ってきたわよー...ん、マスターはちゃんと寝かせてるわね。荊軻なら見つかったわよ。今、マタ・ハリと一緒に敵地へ潜入中。敵地というより...この特異点の、本当の街?」
ホームズ「こことは別の場所があるのか?都市の周辺は、何もないように見えたが...」
虞美人「それがあったのよ。この先の二つの丘を越えると、壁に囲まれた遊廓があってね。マタ・ハリだけ門番に見込まれて、そのまま遊廓へ連行。私は...何故か男と間違われたのよね...」
オベロン「ああ、見た目が小さいから。」
虞美人「何がよ!!!とにかく、マタ・ハリと荊軻は今も無事よ。しばらく監視したけど、二人は同じ店で働いているみたい。そこの女将さんがいい人だから、今すぐ男に抱かれるなんてことはないわよ。」
オベロン「ならよかった。どうする?誰か一人残って、マスターを匿うか?」
ホームズ「...まだ逃げの条件が分からない。マスターを一人隠すことが、逃げに分類される可能性もある。彼女にとっては刺激的すぎる光景だが、このまま連れていくしかないだろう。」
虞美人「同感ね。モルガンは?」
オベロン「カルデアからの連絡を待ってるよ。虞美人の帰還と今の情報を聞いて、方針でも変えてるんじゃないかな。カルデアとの通信手段を持つのは、ホームズとモルガンとマスターのみ。通信手段がないなら、単独行動はなるべく控えてくれよ。」
虞美人「そうさせてもらうわ...マスターが起きたら教えてちょうだい。これからの方針とか、私から詳しく伝えるから。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年12月23日 14時