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「ありがとう...親切な方々。オベロンさん、でしたっけ。とても、素敵な羽をお持ちですね。」
オベロン「...クソッ」
「?」
オベロン「いや、今のは自分の不甲斐なさからだ。......記憶の件については後回しだ!北区はマシュが足止めしているようだから、僕たちは何としてでも耐えてみせるぞ!もうすぐで一時間...いや、もう一時間経ってるな!」
私、大切なことを忘れている気がするな。でもそんなことはどうでもいいか。
何もかも忘れていい、今は眠い。
アルトリア「ッ...何を忘れようとしてるんですか!このバカ!!!」
「...?」
アルトリア「あなたのことを待っている人がいる...ずっと愛している人がいる...!その人たちを捨てて、自分だけ先に行こうとすんなぁ!!!」
......いる?誰か、いたっけ。
ガレス「避難所まで撤退しましょう!さあ、早く...えっ...」
「......妖精たちが、どうしてこっちに?避難所に来れずとも、建物の中にいれば安全だって、そう聞いてたんですよね?」
ガレス「なに。あれ。」
何か大きいものが見える。
ダメ、それはダメ。上陸したらこの街が消えてしまう!
オベロン「待ってくれ!ティターニア!!!」
「マシュ!!!」
オベロン「...!」
私はなんて叫んだのだろう。どうでもいっか。
私、この街を守りたい。そんな直感で外に出て、勝手に死にかけて、今度は知らない子を助けたいと願って。
バカみたい、私って。
「でも...でも...!」
逃げればよかったのに。周りがそう進言してる。でも、
藤丸「それがどうした!」
「...!」
藤丸「行こう!先輩!」
先輩という言葉にも響きを感じないし、感情もない。でも、どうしてか初対面の彼に期待してしまう。彼とならこの道を乗り越えれる、あの女の子と共に街を救えるって。
ダ・ヴィンチ「...二人とも、行ってらっしゃい。」
何も知らない私は、そう断言してしまった!
断言できる!何も知らない私でも、きっと彼らとならあの厄災を祓えると!
藤丸「負けるもんかぁぁぁ!!!」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年12月19日 21時