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とても楽しい。それが私の人生を支える、一つの感情。他愛もない話をするだけで、人生が彩られていく。
睦実「ああ、希佐は二年生になってる。俺とフミは......留年することにした。」
白田「留年!?だからユニヴェールの三年だとか名乗って...」
高科「俺たちが自ら選んだ道だ。考えてみりゃ、あの大騒動の後じゃ学業もままならなかっただろ?その欠落した部分を完全に埋めるため、ほとんどは留年という選択肢を取った。オニキスの例のリーダーは、家を継ぐために早々に卒業したけどさ。」
百無「僕はウツリの分まで猛特訓ですよ。土下座して感謝されてもいいぐらいにね。」
......この空っぽの部分は、なんだろう。
「......また恋心、かぁ。」
サンソン「A?」
「私、ずっと君の事を愛している。今も変わらない。でも......またキリシュタリアに恋しちゃってるみたい。」
サンソン「......」
「バカだよね。もう叶わないのに、シャルルと結婚したのに...」
サンソン「いいんだよ。A、彼に一度告白してみるといい。これは僕の持論だけど、彼なら君の告白を断ってくれると思う。彼が断ることで、君の気持ちも晴れるんだろう?」
「そうだと思うけど...嫉妬しない?」
サンソン「してるよ。ずっと昔から、もう誰の目にも触れてほしくないってぐらいに。そんな暗い気持ちを抑えてくれる君の笑顔のためなら、僕は他者への告白も受け入れるよ。......相手が受け入れたのなら、話は別だけどね。」
「こ、こわっ...でもありがとう。また彼に出会えたら、今度は告白してみるよ。その時すごく泣きそうだけどね。あの時叶わなかった恋が、実は叶っちゃうかもみたいになったら。」
サンソン「......もし」
「ん?」
サンソン「もし僕が消えて、君が他者と結婚して...また僕がこの世界に呼ばれた時は、男を殺してでも君を攫って、遠くまで連れていく。」
『はいそこ!!!ギリシャの地で暗い恋バナは控えろ!!!』
サンソン「僕はフランス人なんで。」
『どの人種もギリシャじゃあっという間にあの世だからな!?断言する!昔のギリシャはマジで地獄!!!』
「すごいな...断言しちゃってるよ。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年11月15日 9時