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サンソン「...何もかも...遅かった。何もかも...何もかも!!!」
『落ち着きなさいよ、サンソン!』
サンソン「これが落ち着いていられるか!?こんなことじゃ謝ることもできない!!!何もできなかった!!!何も守れなかった!!!」
全部僕のせい、僕のせいだ。初めて彼女の意思に反して人を殺したから、そこから悲劇が始まった。僕のせいでAはこんな思いをして、五年も眠ったままで......
『大丈夫だ!彼女は...』
「ごめんなさい!どうして腹が疼くのかと思ったら、お腹がすいていたの!」
慎二「...は?」
「目覚めて早速で悪いけど、何か食べてもいい?料理は私がするよ!君たちに迷惑をかけてしまったお詫びとして、美味しいのを作ってあげる!こんな汚い場所じゃなく、屋敷の綺麗な場所で美味しいものを食べましょう!」
『普通にお腹がすいていただけ、みたいだし。』
サンソン「......」
少しだけ、間に合っていたらしい。
「少しだけ思い出したよ、シャルル。私ってば五年も眠ってたみたいだね。せっかくだし、カルデアって場所に戻ったら五年分祝ってくれる?それまではしっかりと働かせてもらうよ。」
サンソン「ああ...祝うよ...」
「それから新しい服も買いたいな。五年も経って、微妙に趣味趣向も変わったみたいだし?せっかくだからカルデアにたくさん持ち帰りたい!」
サンソン「たくさん買おう...いっぱいワカメに払ってもらおう...」
慎二「なんで皆して俺のことワカメって呼んでくるんだよ!?」
五年経っても、君は笑顔で僕を迎えてくれる。
「五年前のことなんて気にしてないよ。私はもう大人だよ?シャルルも謝らなくていいの。」
サンソン「いや...謝らせてくれ。五年も君に寂しい思いをさせてしまった、五年も君に苦労をさせてしまった。五年という大切な時間を、君から奪ってしまった...ごめん...ごめんよ...」
「...」
あと何度謝れば、君の時間を取り戻せるのだろう。
サンソン「ごめんなさい...ごめんなさいっ...!」
せめてもの贖罪として、これからは君の幸せのために何でもする。例え君が間違おうと、決して。
「...ダ・ヴィンチちゃん、後で少しだけ話を。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年11月8日 0時