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コヤンスカヤ「...さてと。しばらくここで休んでいてくださいね、A。仕事ならすぐに終わらせます。」
アシュヴァッターマン「...」
コヤンスカヤ「あの坊主が売ったのでしょう?私が彼への信仰を消し去るため、人々にかつての家族や恋人のことを思い出させてる、と。その程度で迷う人間は不出来なのですから、それをさっさと見つけてしまえばいい。そういう善意で行動してたのですが...」
アシュヴァッターマン「ああ、同情するぜ。同じ仲間に売られたんだからな。だがその娘はどうした?どう説明する?」
コヤンスカヤ「...覚悟していますよ。彼女を連れて遠くまで逃げる、その選択をした私は死を覚悟する必要がある、と。それはおいといて...たかだかサーヴァント一騎で妾を潰そうなどと、怒りを通り越して悲しくなるわ。ただ一人の神となり、神将などと擁する程度で破壊者を名乗るなど笑止千万。人のすべてを体現したあの皇帝ならまだしも、たかだか武人一匹、ここで噛み砕いてしまおうか...!」
「...コヤンスカヤ...?あっ...」
コヤンスカヤ「まだ眠りについていなさい。いいですか?その布で自分の顔を覆うことです。これから先のことを、アナタは目にしてはいけません。」
アシュヴァッターマン「...ドン引くほど怒ってるじゃねえか、テメェ。いいぜ、好きに怒れ。俺も怒ってるぜ。なにしろ、殺したくもない奴を殺さなきゃならねぇからな!」
再び、あの終末が訪れる。
Aは幼い子供のようだった。そんなに泣かなくても、私はちゃんとここにいますよ。
だから、その布は決して取らないでくださいね。
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年10月28日 18時