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未だに出てこない、ガネーシャより引きこもってるんじゃないかって呆れる彼女に声をかける。

二人を解放するのは藤丸立香の役目だ。だけど、彼女だけは違う。

サンソン「A、」

僕はサーヴァント、血濡れた処刑人だ。最近まで処刑人である僕自身を否定してきた、愚かなサーヴァントだ。ここから消えてしまって、またどこかで召喚されたら、僕はその愚かな行動を何度も繰り返すだろう。だから僕は否定を続けた。

だけど...ただ一人、僕の罪を受け入れてくれた人がいた。許してくれても、受け入れてくれる人なんて早々にいないから。僕はとても嬉しかったんだ。

もういいんだよ。君は役目を終えた、だからもう一度旅をしよう。僕も君の隣にいたくて、早く会いたくて、一秒たりとも離れたくなくて、ここまで来たんだよ。

サンソン「迎えに来たよ。」

その一言を放つと、空に浮かぶ箱は姿を消した。

そこから現れたのは僕の愛しい嫁。誰よりも美しく、輝いて、人をやめてしまったマスター。人をやめようと、僕は彼女を愛し続けよう。これから先、ずっと君を守ると誓おう。

サンソン「A、起きてくれ。」

「...ぁ...そうだ...」

ラクシュミー「ようやく...出てきたか。大丈夫か?」

ガネーシャ「そりゃあボクもぶっ壊れてましたけど、マスターの方がずっと苦しかったッスよね?名前まで忘れていたし...」

「思い出した...シャルルだ...私、ずっと忘れていた...!ずっと会いたかったのに、君の名前だけが思い出せなかった...!」

ガネーシャ「...本当によかったッス。かくいうボクも、セーブデータに名前を残していなかったら危なかったッスけどね。いっぱい泣いてもいい、いっぱい甘えていい。ただの人間が何千年も耐えてみせた御褒美ッス。誰も咎めはしないよ。」

「シャルル...ずっと私を抱きしめて。私、すごく頑張ったの。皆が思うより、ずっと...だから...」

サンソン「君が悪の道を歩もうと嫌わないよ。それぐらい君に一目惚れしてしまったんだから。」

「...よかった。私、二人よりずっと歩けない。歩き方も忘れちゃった。だから...しばらく背負ってくれるかな。」

サンソン「はい。...お帰りなさい、A。」

「うん...ただいま、シャルル。みんな。」

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作者名:琲世 | 作成日時:2021年10月28日 18時

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