春の終わり、新たな春を迎える。 ページ1
「...キリシュタリア...」
キリシュタリア「よく聞くんだ。君は後ろを振り返らず、このまままっすぐ走れ。またあの闇に囚われてしまっても、今度は君の大切な人が助けてくれる。君は君自身の悪夢と戦え。」
「ねえ...どうして敵になったの...?」
キリシュタリア「...運命だから。今はそうとしか言えない。それからもう一つ、用途は分からないが君の求める花はこの世界に存在する。本来であればあの花に君の求める効力は存在しないようだが、君の奇跡によってその花は生まれ変わる。名はテンスの花だ。...君の旅に幸があらんことを。」
「......ズルいよ。」
また囚われてしまうなら、どうして貴方は私なんかを助けたの?キリシュタリア...戻ってきてよ。
「キリシュタリア...キリシュタリア...!」
大魔王「____...」
「...走らなきゃ。私も私の悪夢と戦わなきゃ!!」
サンソン「...A、無事だったか。」
「シャルル...!この回廊は...」
サンソン「無駄に広い...ここならあの悪夢のチェイテ城も、百ぐらいは建築できるだろうね。」
「確かに...シャルル、今そっちに行く!」
回廊へと繋がる無数の道。私はちょうど南の道から、彼も北の道からここまで辿り着いていた。
「ようやく会えっ...何これ...真ん中に壁!?」
サンソン「何かギミックがあるのか?他の道...は」
「...消えている...!?」
大魔王「あの男が言ったこと、もう忘れたんだ。お前はちゃんとこっちで眠っとけよ。」
「...!」
私がいる地面だけが真っ黒な水に変わり、そこから無数の手が私を引きずり込む。彼の姿が見えなくなるのも時間の問題か...
サンソン「A!?」
「シャルル!私もすぐそっちに戻るから!絶対に負けないで!!!」
大魔王「...無様。君一人で私を倒せるの?ここは回廊の狭間、記憶の終着点。大切なマスターちゃんがいなきゃ戦う意味もない君に、どう私を倒せるのか楽しみだなぁ。」
サンソン「......倒します。アビゲイルが何とかしてくれると、そう信じていますから。」
大魔王「ここまで来て人様に頼るの?無様を通り越して滑稽ね。孤独なまま戦ってきたこの私に勝てる未来はないのよ。諦めなさい。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年10月22日 19時