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盟友「...殺さないで。ダメよ...だって、救わなきゃ...」
私は誰もいない城を歩いた。あの日の記憶が正しければ、私はこの先で死ねるだろう。二度とこの世に生を受けないだろう。
盟友「ごめんなさい、ルティアナ様...あなたたちの期待にも、私は応えれなかった。」
階段を上がり、外へ向かう。感覚で分かる、すでに浮島でなくとも処刑道具ぐらいはあるってことぐらい。
外に出てすぐの広場にある、大きな鍋。その鍋には金色の水がとっぷりと入っていた。
クオード「...お前...どうして此処にいる?」
周りには多くの人がいた。見知った顔もいる。
クオード「お前は牢獄にいていい!俺がそう...」
盟友「動くな。」
クオード「ッ...!」
これでもう、誰も動かない。鍋の中に飛び込むための段差を上り、後はこの中に落ちるだけ。
盟友「...大嘘つきは目的を見失いました。記憶を失いました。愛しい人たちをたくさん殺し、私はその屍の上に立っている!これが世界を救えなかった愚か者の末路です!その目にしっかりと焼き付けてください!!!」
アンルシア「待って...!」
盟友「...」
アンルシア、私なんかを盟友と呼んだ勇者様。
盟友「私はもう、何も救えない。」
マーラ「バカっ!!!」
盟友「!?」
お姉ちゃんと呼ばないって言った。信用しないと言った。そしたら遠くに離れてくれるかなって、逃げてくれるかなって思っていたの。
貴女の死は誰も望まない。リリオルも貴女に戻ってきてって言ってたんだよ?どれだけ殺戮を繰り返しても、みんな貴女を信じて待っているんだよ。
マーラ「...生きて、お姉ちゃん。」
「マーラ!!!」
私は金色の銅像になって、そのまま死んでしまうけれど...お姉ちゃんはそうじゃないでしょ。
「___ッ...!」
...ありがとう。私を助けてくれて。
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年10月20日 0時