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衛宮「...もう行くのか。冬木には戻らないのか?」
「うん。」
衛宮「じゃあ...そうだな...最後に手合わせをしよう。藤ねぇとお前のお父さんが召喚したセイバー、二人から習った剣術を最後にお披露目するってことだ。お前、勝負事が大好きなんだろ?」
最後に彼と木刀で戦った。二人のセイバーが見守り、決められたルールの中で私たち二人が戦う。
あまりにも歳の差が大きすぎたけど、実力の差も大きかった。私の勝利という結果は、何度やっても覆らなかった。
昔と似てるよ。マスターとサーヴァントが見守り、ムカつく奴と殺し合う。この場面はまさに、あの日のよう。
コヤンスカヤ「...ここまで長引くとは思いませんでした。私、そろそろ仕事に向かいたいんですけど...」
「...」
コヤンスカヤ「どうせ私を追って来れないでしょうね。鎖に繋がれた暴れたいだけの獣は、ご主人様に媚を売ることしかできないもの。落ち着いたら城の中へ戻りなさいな。大丈夫。あの二人には城に戻るよう伝えておきますので♡」
さすがに長引いて、私も疲れてしまった。足にも手にも痣だらけ。おまけに喉もがらがらだし、腹もすいてきた。
だがここら辺が頃合いだ。誰もいない今、やることはただ一つ。
「このゲームにルールはないんだろ、神父。...ここからは好きに動く。」
鎖を噛みちぎり、橋から飛び降りてどこかへ逃げる。着地には自信があるから、逃げることだって容易い。
シグルド「逃がさん。」
「...逃げるよ。」
私は知ってるから。運命っていうのは簡単に覆るんだってことを。
「巨人...」
シグルド「逃げ場はない。」
足も斬られたけど、まだ希望はある。絶望するにはまだ早いんだ。
「...先に...お前を殺さなきゃな...」
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年9月21日 15時