女神を殺す純粋な心 ページ33
英智「本当にごめんね...まさか僕が瘴気にやられてしまうとは、考えもしなかった。」
響子「英智様はよく頑張りました。さあ、暫くお休みになってください。カルデアの皆様がお見舞いに来てくれますし、客人には元気なところをお見せしないと。」
英智「...そうだね。ねえ、彼らは僕達を知ったら怒るのかな?彼女に出会って以来、僕達は誰かに叱られることばかり望んでいる。彼らは叶えてくれるかな?」
響子「...どうでしょうか。私にはさっぱりです。」
剣の厄災の影響で、僕達の世界には瘴気が蔓延した。今までは何度もリセットされていたから、瘴気を食らっても体に異常がなかった。
でもその概念が消えたことによって、瘴気はさらに進化を遂げた。人々の精神を狂わせ、大切な人たちさえも殺そうとする殺戮兵器になった。僕もその一人だ。
莉愛「...それでいいんだね。五度目、君にAとしての思考は失われる。」
「こんな体じゃ戦えないんですよね?ならやらせてください。」
オベロン「主は俺になるように設定しろ。」
莉愛「はあ...分かった、なら今から医療室に行くぞ。概念を受けないように魔術を使わなきゃいけないから、明日も面会は不可能の状態になる。それでもいいなら、準備を整えてから来るように。」
愛しい姉と同じ声、愛しい姉がくれたリコリスが飾られた瓶。
響子「...複雑ですね。お母様と同じ名前、同じ姿、同じ声...時々嫌になります。」
英智「慣れるしかないよ。すまないが、その瓶の水を変えてきてくれるかい?リコリスが枯れてしまう。」
響子「分かりました。...三日目の景色は楽しめるものではありませんが、暫しの休息をお楽しみください。」
この病室にも魔術がかけられている。概念のリセットの影響を受けたら、病人の僕たちがどうなるか分からない。莉愛先生の優しい心遣いの証拠。
紙屋「英智はここにいるんだな?」
響子「はい...ああ、皆様も影響を受け始めている。外見の年齢が成長されています。」
サンソン「マシュはともかく、僕も成長するとは...」
響子「...イケメン紳士ですね。少し予定が早まり、A様との面会も五分のみ許されています。イケメンと美女のタッグで悩殺してきてください。」
サンソン「悩殺はダメなのでは...?」
...四度目を迎えるまで、残り六時間となった。
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作者名:琲世 | 作成日時:2021年9月4日 19時