隣にいること

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*nakama*




あれから照史は、新たに発作を起こすことも無く、一般病棟に移って2日目。

横になって寝ることも出来るようになり、酸素マスクを付けずとも、呼吸状態に問題はない。


しばらくの間は、経過観察とフォローアップは欠かせへんやろうけど、明日には退院出来るやろう。


とにかく、照史の様態は落ち着いとる。

そして俺は、午後から病棟勤務。

幸い、どの患者さんも安定していた。


ならばやる事は1つ。





コンコンッ



中間「照史、入るで」


桐山「…っ淳太くん、、」






俺が入っていくなり、分かりやすく顔を引きつらせる照史。

他のみんなはお見舞いに来とったらしいけど、主治医の俺は、あえて回診以外で1回も病室に行かへんかった。

その俺がわざわざこの時間に、病室に来た意味。

分かってるんやろうな。


…大正解、お説教タイムや。






中間「体調はどない？食欲もあるみたいやし、SpO2も正常値やけど」


桐山「おん。お陰様で、大丈夫、、」


中間「そんで？まずは言い訳を聞こうか？」






俺がそう言うと、ビクッと照史の肩が跳ねた。

そんな怖がるんやったら、最初から素直に言うこと聞けばええのに。

それに、照史の場合こういう状況になったのは初めてやない。


大学生の時に喘息を発症した照史は、もともと小児喘息を持っていた神ちゃんと違って、まだ薬によるコントロールが安定してへん。

せやから、定期的な経過観察が必要やったのにここ数年発作を起こしてへんからって、検査を受ける事もしやんかったし、薬の服用もしてへんかった。

まぁ、これは俺の責任でもあるんやけど…。






桐山「言い訳って…、今回の発作がひどくなったんは、たまたまやったんよ。前みたいに体調悪かったわけやないし、前兆も無かったし。水が気管に入ってむせたらそのまま…みたいな感じやったから、、、」


中間「だとしても、ちゃんと診察受けてたら平気やったんやない？言うたよな、俺。結局午後も来やんかったし。大体、発作が起きてへんかったのに笑っただけで喘鳴が聞こえたんやったら少しは警戒するべきやったと思うけど？」


桐山「確かにそうやけど、でも！それくらいで休めるような仕事やないって、淳太くんやってわかるやろ？」


中間「わかるで。わかるから俺はお前を医者やと思って管理を任せとったんよ。いつも担当してる患者さんと違って、俺がとやかく言わんでも自分で管理できると思うてたんやけどなぁ。…見当違いやったわ」

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