隣にいること

＊ ページ24

*nakama*





受け持ちの患者さんの容態が安定しなくて、急遽、病院に泊まることに。

って言っても、泊まるつもりなんてなかったから、急いで家に戻って着替えだけ持って病院にUターン。シャワーは病院のでええか。


再び病院の最寄り駅に着いたところで、スマホが鳴った。

画面を見れば、知らない番号からの電話で、1回は無視したんやけど、もう1回かかってきたから何事かと思って、電話に出た。






中間「…もしもし？」


Ns「あ、中間先生！夜分遅くにすみません。倉木です」


中間「あぁ、倉木さん。どないした？…え、まさか」


Ns「そのまさかです。さっき桐山先生から電話があったんですけど、何も応答がなくて。でも様子がおかしかったので探してるんですけど、どこにも居ないんです。中間先生、何かご存じないですか？」






電話の相手は照史の外来を担当してたナースからだった。

しかも、照史が様子がおかしいうえに行方不明らしい。


ほんまあいつ何してん？！結局、午後の外来にも来やんかったし。

でも、もし喘息の発作を起こしていたら、、、

照史は薬も持ってへんし、危険や。






中間「いや、今まで家に居ったからわからんわ。もうすぐ着くから、着いたら俺も探してみる」


Ns「お願いします！」






切れた電話を握りしめて、病院の駐車場を足早に駆け抜け、エントランスのエレベーターで目指すは、消化器内科病棟。

俺のスマホから電話をかけてみるけど、病院内用のスマホも、私物のスマホも照史が出ることはなかった。

家に帰ってへんかったから、居るとしたら医局か仮眠室のはず。




中間「照史ー、照史ー？…どこやねん、あいつ」





結局、医局にも仮眠室にも居らんくて、仕方なく呼吸器内科の病棟へ向かう。

どうすることも出来んくて、もう一度、照史の院内用のスマホに電話をかけた時やった。


どこからか、スマホの着信音が聞こえる。

その音を辿っていき、ハッキリと聞こえた所で人影が見えた。






中間「…っ照史！」


桐山「ひゅー、ひゅー。っじゅんっ、ゲホッゲホッ、ひゅっ」


中間「無理に喋らんでええから。…もしもし、中間です。消化器内科と呼吸器内科の間にある自販機の横に、至急ストレッチャー持ってきて」





いつからこの状態やったんやろか。

指先は冷たくなっとるし、俺が支えとらんと、自力で座ることさえ難しそうや。





中間「もう少し、頑張るでー、照史」


桐山「ひゅーー、ひゅっ、けほっ。ひゅー」

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