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図書委員になってから初めての水曜日がやってくる。
いつもより少しだけ髪を綺麗にセットして家を出る。
図書室に着くと阪本くんが先に着いていた。
『あ、阪本くんおはよう』
彼はこちらを一瞥して手を軽くあげる。
それだけで私には十分だった。
「これ、なにしたらいいん？」
『今日は特にすることないよ。誰か来たら対応すればいいだけ。』
そう答えると阪本くんは漫画を読み始める。
昨日の夜、社会の提出宿題を終わらせていなかったことに気がつき、ノートを取り出す。
『あれ、教科書がない…』
肝心の教科書を家に忘れてきたことに気がつき、クラスに帰ってから菜々子に借りようと思っていた時だった。
「なんの？」
『え？』
「なんの教科書がないん？」
阪本くんが漫画から目を離さずに声をかける。
『あの社会の教科書忘れちゃって…』
すると阪本くんはバックをゴソゴソして私に教科書を差し出した。
「え、いいの？？」
『ええよ』
「ありがとう、助かった」
受け取る手が少し震えている気がする。
こんな幸せなことがあっていいんだろうか、1年の片思いが少しだけ報われた気がした。
それから何回か水曜日がやってきた。
相変わらず彼との間にそんなに会話はないものの、彼は毎回サボることなく当番に来てくれる。
そして私は水曜日以外も楽しかった。
なぜなら図書室のカウンターからはサッカー部が活動するグラウンドが見えるからだ。
いつもとは少し違う阪本くんを上から眺めるのは楽しかった。
そして何回目かの水曜日の放課後、誰も来ないのでお気に入りのいちごミルクを飲みながら宿題をこなす。
ふと顔を上げると阪本くんと目が合う。
「それ好きなん？」
『いちごミルク？好きだよ』
「いっつも飲んでるやん」
『え、なんで知ってるん』
「いや、飲んでるからやん」
理由になってない気がするが、そんなことどうだって良かった。
阪本くんって意外と私のこと知っている気がする。
少しでも自分に興味を持ってもらえたのが嬉しくて、いつもよりいちごミルクが甘く感じた。
『それ言ったら阪本くんもそのサイダーよく飲んでるよな。好きなん？』
「うん、好き」
好きっていう言葉が自分に向けられた言葉じゃないことは理解している。
でも反応せずにはいられなかった。
心臓の音が彼には聞こえていないだろうか。
その言葉が自分に向けられたならどれだけ幸せなのだろう
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流(プロフ) - ぱふぇさん» えーー！！そんなミラクルあるんですか！？！びっくり…と同時に褒められてしまって嬉しいやら恥ずかしいやら…！！もどかしい展開いっぱい続いちゃってください……楽しみにしてますﾆﾁｬﾆﾁｬ (3月6日 0時) (
レス) id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ(プロフ) - 流さん» え！流さん！！流さんの書くお話が大好きで短編を何回も読み返してます！！大好きな作者さんから感想いただけて泣いちゃいそうです😭もどかしい展開が続きますが、これからも楽しんでいただけると嬉しいです🫶💕 (3月5日 20時) (レス) @page5 id: 9055367193 (このIDを非表示/違反報告)
流(プロフ) - お題から何から全てが良すぎて床を転げ回りながらお話を読んでしまいました……借り物競走の時なんかもはや親の目線になっちゃって情緒が変になってしまった ゆっくり恋愛に発展してる感じがすごく好きです😭更新楽しみにしています🌸 (3月5日 19時) (レス) @page5 id: a6a9c1ba3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱふぇ | 作成日時：2024年2月29日 16時
