見果てぬ夢 (ページ10)

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「でな、上手くいくか分からんのやって。」
「初めてのことだからね、でも良いチームだと思うよ。」

それなりにお酒も入って、話す内容も仕事のことが多くなってきた。同じ部署に居るとはいえ、関わっている内容が違うから知らないことも多くて。珍しく弱気な彼をなんとか励まそうと声を掛ける。

でも、こんなこと滅多にないのに。
いつでも前向きな彼の言葉に違和感を覚える。不安もあるよね、たまたまそういう気分なんだよね、そう思うけれど。

「たまにな、大ちゃんと話してるAちゃんが見えんねん。そしたら、俺もそっちのチームがええなぁって思う。」

「…そっか。」

その言葉が西畑くんに向けられた嫉妬ではないことは分かっている。西畑くんのことも私のことも大事に思ってくれている彼のことだから、単純に寂しいのだろう。

「でも、和也くんが優秀だから大事な仕事任されたんだと思うよ。」

「頑張る、けど。Aちゃんで充電したいなぁ。」

向かい合っていたはずの彼は、いつの間にか隣にいて。
熱くなった掌が重なった。

「なぁ、キスして？」