見果てぬ夢 (ページ31)

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「あ、大橋くんトリュフいる？」
「くれんの！？」
「うん。はい、あーん。」

「うますぎる〜早めのバレンタインもらった〜」
「バレンタインは別でちゃんとあげるわ。」

「え、ほんまに！？」

私は彼の笑顔が好きなんだと思う。
そして、彼はちょっとしたことでも喜んでその笑顔を見せてくれる。

でもそれは、私じゃなくても出来ることで。
彼が幸せになってくれるならそれでいいような気もする。

「あ、今日な、プレゼント買ってきてん。」
「プレゼント？なんの？」

「じゃーん！Aちゃんへのクリスマスプレゼント！」

「え、ネックレスやん。待って、私なんも持ってへん。」

それはどこか見覚えのあるもので。
記憶を辿ると、いつだったか私が足を止めて見ていたアクセサリーショップのものだった。

「前に見てんなーって思って。絶対似合うやろうなって。」
「…ありがとう。めっちゃ嬉しい。」

彼氏やん。
こんなんキュンキュンするやん。
たまにこういうとこ見せるのはずるいやん。

嬉しさで言葉が出ない私を、少し頬を染めた彼が見つめる。

「お返しとか気にせんでいいから、ちょっと聞いて。」