見果てぬ夢 (ページ23)

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「お姉さんにクリスマスプレゼントって仲良いんやな。」
「まぁ、あんまり喧嘩したことないかも。」

さっきから感じる違和感は何なのか。
私が変な顔をしていたのだろうか。
"早く帰りたい"と思っているような顔を。

「大西くん、」
「俺、いつもAちゃんが最後まで残ってくれてるの知ってる。」

何とかしないと。
そんな思いで呼んだ名前は、彼の声にすぐかき消された。
しかも予想もしていなかった言葉で。

「朝は1番に来て、ルールも怪我の手当ての仕方とかも頑張って覚えて、自分のこと後回しにしてばっかりで。無理してへんかなって、たまに心配になる。」

周りをよく見ている子だとは思っていた。
少しでも髪を切った子がいれば、落ち込んだ顔をした子がいれば、彼は真っ先に声を掛けていることも。

「正直、見てもらいたくて練習頑張ってた。」

「私？」

「ライバル、多いから。」

そんな彼がまさか私を見ていたなんて。
頭が追いつかなくて、言葉が出なかった。

「今日誘ったのも、話したかったからやし。」