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10. ページ11
真田の言葉に、
首を横に振る幸村は耳を塞ぐ。
(嘘だ、嘘だ嘘だっ………)
頭を抱え、その場に座り込む幸村。
真田は携帯を取り出し柳へと電話をかける。
どうして気がつけなかったのだろう、
友人のこの症状を。
彼女が、皐が亡くなったのは去年。
この公園で事故死だった。
幸村はそれを目の前で見ていたのだ。
目の前で起こった現実を、
幸村は受け止められなかった。
だから、この世に存在しない彼女を、
彼は｢見て｣いたのだ。
｢違う、皐は死んでなんかない、｣
｢幸村、目を覚ませ、皐は｣
｢うるさい！！真田の言葉なんて信じない！
黙っててくれ！！｣
｢幸村！！！｣
真田の手を振り払い、
幸村は立入禁止区域の奥へ入っていってしまう。
真田は追いかけようとしたが、
足場の悪い場所を進んで自分も幸村も傷を負ってしまったら終わりだ。
『…弦一郎、どうした？』
｢蓮二！頼む、急いで湘南公園に来てくれ！｣
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