*～箱～*〈約ネバ〉 (ページ20)

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ﾚｲ「鬼…農園…ママが敵…？ヤバくね！？…あっ、だから格子窓！」

ｴﾏ「飲み込みはやっ！えっていうか超すんなり信じてくれてるけど…」

ﾚｲ「は？当然だろ？ノーマンがこんな間抜けな嘘つくかっての。エマならともかく」

嘘だね

ﾚｲ「で、実際逃げるとなると問題は色々あるが、まずは、人数だな。実現可能なメンバーに絞って…」

ｴﾏ「待って！全員で逃げたいんだ。力を貸してレイ」

！？！？！？

ﾚｲ「全員？冗談だろ？全部で38人、大半が6歳未満だぞ！？"ママ"鬼"発信器"…ただでさえ簡単でない脱走の難易度がケタ違いにハネ上がる…」

そうだ

そんなのただの理想論だ

ｴﾏ「それはわかってる…でも、無理だと決まったわけじゃ…」

ﾚｲ「いいや、無理だ。エマ、お前気づいてないだろ」

エマ「え？」

ﾉ-ﾏﾝ「レイ、待って」

...なるほどね

ﾚｲ「なるほど、だから僕から話すよ、か。でもな、こういうのははっきり言った方がいい。エマ、出るだけじゃダメなんだぞ。出荷される先がある。"農園"ってモノがあること自体で予想はつくだろ。外に待つのは鬼の社会だ。人間の生きる場所なんて最悪どこにもないんだよ」

現時点ではそうとしか言えないよね

ﾚｲ「ムリなんだよ。連れて出りゃ全滅は見えてる。置いていく。それが最善だ」

ｴﾏ「やだ。無理でも私は全員で逃げたい！何とかしよう?」

ﾚｲ「ハァ!?」

ｴﾏ「全滅はやだよ…でも、置いていくって選択肢はない。コニーで終わりにしたいの。もう誰もあんな姿にしたくない。ないなら作ろうよ外に！人間の生きる場所。変えようよ世界！」

さすが理想派のエマ

諦めることを知らないのかな？

ｴﾏ「レイのおかげで今わかった。これはそういう脱獄なんだ。私は折れない…決めたから…だからレイが折れて！ゴチャゴチャ言わずに力貸して！！」

ﾚｲ「オイコラ保護者ノーマンちょっと来い！」

なんでノーマン笑ってるの？

レイ地味に怒ってない？

エマは...安定の駄々っ子だね

そろそろ私も話し合いに参加しようかな...と、思って、木の上で体の向きを変えようとした時、強い視線を感じた

慌ててその方向へと目を向けると_____

______少し離れた木の上から、ユウお兄ちゃんがこちらを見ていた