*～箱～*〈約ネバ〉 (ページ17)

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夜

夕食も入浴も済ませて、みんなが就寝準備をしたり、遊んだりしている最中

私は、ユウお兄ちゃん専用の部屋に来ていた

そこは、数日前まで空き部屋だった場所だったが、ユウお兄ちゃんによると、ママがいつの間にか整理していたようだ

私は部屋の隅においてあるベッドに腰掛け、ユウお兄ちゃんはその目の前に椅子を持ってきて座っている

ユウ「さぁ、何から教えたらいいかな？」

『質問形式で聞くね。質問１、なぜ生きているの？私はユウお兄ちゃんが異形の生物に瓶に詰められる光景を見たの。』

ユウ「あぁ、あのとき見ていたんだね。確かに、僕は一度死んだよ。セラが見た僕はその僕だ。」

ユウお兄ちゃんは悲しそうな、悔しそうな、複雑な表情で話し始める

ユウ「いいか、セラ。これから話すことに嘘は一つも入っていない。真実だ。その話の中には、セラにとって辛くなるようなことも入っている。それでもいいか？」

『覚悟はできてないけど、大丈夫。』

ユウ「まず、１つ目の質問に答えようか。簡単にいうと"特別な箱"を使った。知っているだろう？アヤという自称カミサマの少女が守り、持ち主の願いを叶える箱だ。」

『ということは、ユウお兄ちゃんも箱の持ち主ってこと？』

ユウ「まぁ、そういうことだね。僕らは似た者同士さ。いや、正確には君(・)が僕(・)に似ているんだけどね」

『ごめん。わかんない。』

ユウ「そりゃ分かるはずがないよ。クローン(・・・・)技術のことは、僕がハウスの図書室のどこを探しても見つけることは出来なかったからね。まぁ、それに近いことが載っている本はあったけど」

『クローン技術？』

ユウ「そう。クローン技術って言うのはね"クローン"つまり遺伝的に同一な個体を作製する技術のことだよ。その技術が鬼達の間で長年研究された結果、やっと一人、能力だけそっくりそのままな個体が誕生した。それがセラだ。」

『つまり、私はユウお兄ちゃんのクローンであり、アヤや箱の能力を持って誕生したと。』

ユウお兄ちゃんは頷いた

その通りと言うように

『でもさ、鬼達の目的は何？食用児を増やすなら普通に産ませればいいだけじゃない』

ユウ「鬼の目的は、箱だよ。願いを叶えたいんだ。世界全てを鬼の物にするというね。」

『ということは、外のどこかに人の生きる場所もあるのね』

ユウ「そうだよ。僕は見たことないけどね」

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会話多くてすみません