*〜箱〜*〈約ネバ〉

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今晩はコニーが外への希望と不安をもってハウスを飛び出す日

といっても、外の世界なんてないんだけどね

そんなことを考えながら、コニーの髪を結んであげている

私は、家族と遊んだりはしないけど、勉強を教えたり、髪を結ったり、世話をしたりするのは、年長者としての仕事としてやっている

『ほら、できたよ』

ｺﾆｰ「ありがとう、セラ。ねぇセラ」

『何？』

ｺﾆｰ「セラはなんで私達と遊ばないの？私達のこと嫌い？」

『最後に難しいことを聞いてくるね。たしかに私はみんなと遊んでないね。でも嫌いなわけではないよ。でも、好きでもない』

ｺﾆｰ「どうして？私はセラもエマもノーマンもレイもみんな大好きだよ！」

『じゃあコニーに教えてあげる。大切な人を作ったとき、その大切な人を無くしたらどんな気持ちになる？そして、その大切な人から自分を奪ったとき、相手はどうなる？』

ｺﾆｰ「...泣いちゃうね」

『私はもう、泣きたくないの』

率直な意見だ

もう失いたくない

もう悲しみたくない

もう泣きたくない

コニーは立ち上がって笑顔で私のほうに向き直った

ｺﾆｰ「大丈夫だよ。また会えるよ。」

その笑顔は私の心を苦しめるものだった

できることなら、コニーも生きてほしかった

他のみんなも、生きて側で笑っていてほしかった

私の大好きなお兄ちゃんも、生きていてほしかった

私は精一杯の笑顔を作ってみせた

『行っておいで。』

ｺﾆｰ「うん！」

コニーも笑顔でかえしてくれる

そのままドアの向こうへと走っていってしまった

その後ろ姿を見送って、私は側にあったベッドに身を投げた

家族を救えない弱い自分を何度も呪うように罵った

もうすぐ、自分もみんなのところへ行ける

『...ごめんなさい』

涙の止まらない目を腕で隠すように覆った

扉の向こうから覗く視線に気付かないまま、少しの間泣いていた

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