崖っぷちホテル２ (ページ24)

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71話ページ24

「私の作りたいもの…何だろう？」

江口「…ちい、上着着て外の空気吸ってこい」

「え？」

江口「気分転換してこいよ。

帰って来た時料理出来るように一通り

下ごしらえしとくからよ」

「…竜くん…」

竜くんに言われて上着を羽織って外に出た

ハル「1人で大丈夫ですかね？」

江口「あーゆー時は1人が良いんだよ」

厨房では2人が下ごしらえをしていて私は

中庭にやって来た

「あれ…？あの人…」

ナディア様の姿が見えて声をかけた

「どうかされましたか？」

ナディア「あなたは…？」

「ここの料理長をしてます、佐藤ちいです」

ナディア「あー、あなたが総料理長の…」

「え…？」

自己紹介をするとナディア様が大きく頷いた

ナディア「あ、すいません。

ここのコックさんが総料理長さんが

とても可愛いと仰っていたので…」

「そんな…。そんな事ないですよ？」

きっとハルちゃんだ。と思いながらナディア様と

しばらく話し込んだ。

ナディア「長々と話し込んでしまってすいません」

「大丈夫です！楽しかったです！」

ナディア「ありがとうございます！

それでは失礼します！」

ナディア様が室内に入られてしばらくしてから

私も厨房に戻り調理を開始したその時…

電気が消えて真っ暗になった

「きゃっ…！！…っっ」

ハル「停電…？」

江口「ちい、ハル坊、大丈夫か？」

調理をしている最中に停電…

材料を切っていた私は誤って指を切ってしまった

「…大丈夫…」

そう言ったものの指を切った事が竜くんとハルちゃんに

バレてしまった

ハル「ちいさん、指！切ってるじゃないですか～」

「大丈夫だよ？これくらい…」

江口「思ったより深いかもしれねーぞ？」

ズキズキと痛む指を暗闇の中、竜くんに手当をしてもらう

「料理、作らなきゃ…」

江口「その手で無理すんなって！」

「でも…」

江口「大丈夫だから！！

ハル坊、ちょっとちいを頼んだ」

ハル「あ、はい！！」

そして竜くんは厨房を出て行った

竜くんが向かった先は皆が集まっているスタッフルーム

江口「もし宜しければもう少しだけ

お時間を頂けないでしょうか？」

江口がディナーの準備をしている事を告げた