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10話 ページ10

「!」
昨日の人だ!
ボッと顔が一気に熱を帯びる。

え、何でここに…どうしよう!私昨日逃げちゃったしなんて言えば…!


その人は2階の手すりから私を見下ろした

「あー?誰だお前。何で朝っぱらからこんな所で勉強してんだ?真面目にも程があるだろ。」

昨日と同じ太陽のような笑でからかう様に笑った。
私はと言うとまたもや頭が真っ白で何も考えられていなかったが、頭の片隅で顔覚えられてなかったという事実に泣きたくなった。

「……あ、これは…その、」

何を言ったらいいのか分からず吃っているとその人は階段を降り、私の座っていたテーブルの近くに来た。

「別に全然いいんだけどよー。あ!お前昨日の放課後会った奴じゃねーか」

「!うん!あの時はいきなりごめんね」
覚えててくれていたという事にとても嬉しくなって思わず声が上擦った。

「あん時なんだったんだ?何もしてねーのにすげー全力で逃げられた気が…」

「違!いや、あの時は…よ、用事を!思い出して!」

失態を侵した恥ずかしさで真っ白な頭で必死に言い訳した。

どう考えても丸見えな嘘じゃないか。もうちょっとましな言い訳は無かったのか。

1人絶望感に打ちひしがれていたが、彼がとても嬉しそうに笑ったから
ただそれに見惚れてしまう。

「んだよ。先に言えっつの。地味に傷付いたんだからな俺様。」

カッコイイ。眩しい。
太陽みたい。
この人は色んな表情を持ってるんだ

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作者名:夢々煙 | 作成日時:2017年10月15日 20時

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