9話 ページ9
「失礼しました」
私は色々気になる事はあったが職員室を後にした
鍵を片手に廊下を移動しながら私は
何故奴がいきなり学校に来ていたのか考えていた
制服も着ていたし…
一人暮らし仲間である私達は
家がお隣というなんともご飯をたかりに行きやすい位置に奴は住んでいるので頻繁に会ってはいたが
学校に来るなんて話は話してもいない気がする
もやもやと考えながら歩いていると図書室前まで来ていた。
あ、
「こんな時間に図書室開いてるの珍しい…」
うちの学校の図書室は無駄にでかい。
大きな丸いテーブルが何個もあり勉強スペースとしても使える。それを囲む大きな螺旋階段があって、2階にも本が沢山置いてある
とても開放的で綺麗だ
その割には人が沢山入っている所を全然見かける事が無い
居たとしても真面目そうな子が数人くらいだ
そんな感じでとても静かなので私は結構お気に入りの場所だったりする
それ故に生徒の少ない朝から開いているのを見たことが無かった
折角だし課題持ってきて図書室でやろうかな
我ながらいい考えだと思い
早足で教室に戻って課題を取って来た
図書室開いているし誰かいるよね
「失礼しまーす…」
誰も居ないっぽい
これは貸切かもしれない運がいい
「…よし」
窓際のテーブルに座り課題を広げ取り掛かろうとすると、2階の本棚の奥から声がした。
「本田あー」
!
びっくりした。人居たんだ。
居るよね開いてたんだし。
それより今、本田って呼んだな
私を奴と間違えてるのかな。どうしよう…
ついさっきまで職員室に居たからまだ来ないと思うんだよなあ
………
私は関係無いし無視を決め込もう
…と思ったけど、私が勝手に入ってきたのに無視も失礼だ
「あの、その人ついさっき職員室に居たのでまだ来ないと思いますよ!」
見えないけど2階にいるであろう人に向かって叫ぶ。
「うお!?本田じゃねえのかよ誰だよお前!」
喋り方からして凄く怖い人…言わなければ良かったかも…何でそんな人が朝から図書室に
2階の本棚からひょいと顔を出した
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢々煙 | 作成日時:2017年10月15日 20時