8話 ページ8
不格好に息が切れたまま学校に着くと
寝坊したとは言ってもまだこの時間だ
グラウンドで朝練に励む運動部員以外の生徒は見当たらなかった
アーサーはもう来てるんだよな…
教室にちゃっちゃと行って終わらせよう
3‐A
自分の教室前に到着しドアに手を掛ける
ガッ
最悪だ
ドアに鍵が掛かっているのを忘れていた
職員室まで取りに行かなければ
昨日といい走りまくっていた記憶しかない
朝という事もあり職員室まで足音をたてないように小走りで向かった
この時間は先生達なら来ている頃だろう
少しばかり緊張してドアをノックする
トントン
ガラ…
｢…失礼します鍵を取りに来ました…｣
成るべく目立たないようにこっそり鍵を取って去ろう
｢…あ、鍵、そこ…｣
｢ありがとうございます｣
｢ん…｣
机に突っ伏して猫と寝ていたフェリクス先生が教えてくれた
こんな朝にここで寝るんだったらギリギリまで家で寝ればいいのに
指定された場所から鍵を取っていると
奥の方で1人の男子生徒が先生と話していた
こんな時間に職員室で話すなんて黒髪で如何にも真面目っぽい外見でいったいどんな事をやらかしたん……
ん？
あの黒髪は…本田菊！
そりゃあ彼なら何かしらやらかしても仕方が無いだろう
彼は私の幼馴染みにして入学早々弓道部に入ったと言っておいて3日で辞めるような奴だ
その上奴は出席日数5日という大記録を残して学校まで不登校。
一時は心配して奴の様子を見に行って見たところ自宅で二次元ライフを楽しんでいるではないか
あの時は怒りを抑えきれず怒鳴り散らしたものだ
すると奴も自分がしたい事を突き通して何が悪いんですかどーのこーの言って何故か逆ギレされた意味が分からない
今思い返すと双方共にとち狂っていたのではないかと思う。
今となってはいい思い出…でもないかな
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作者名：夢々煙 | 作成日時：2017年10月15日 20時
