15話 ページ15
湾ちゃん
やっぱりあの噂は嘘だと思うよ。
「本当、めんどくせーよ、お前。」
胸が締め付けられる。
やっぱり好きだなあ、私。
よかった。来てみてよかった。
ギルベルトくんがいてくれてよかった。
ギルベルトくんが優しい人でよかった。
さっきの感情とは全てが真逆で少し笑ってしまう
ギルベルトくんも私につられて笑うから2人しかいない空間がとてもゆったりしていて優しい。
ずっと続けばいい時間。
「ギルベルトくん、あのね」
「おう」
「私ギルベルトくんに会いに来る為に来たの」
「おう」
「だから、会えてよかった」
「…おう」
「……………それだけ?」
「はあ!?」
だっておうしか言ってないじゃん。
「もっと他に言ってよ」
「他にって何だよ。つーかお前は自分が言ってる事に恥じらいがねぇのか」
ギルベルトくんは手で口元を隠してもごもごしながら赤くなった。
少し勝った気になって笑ってしまう
「笑ってんじゃねえ」
「ふふ、あはは」
がっ、とほっぺを鷲掴みにされたけどギルベルトくんの顔がまだ赤いのを見ると笑いが込み上げてる。
「…この野郎…」
「ギルベルトくんの顔が赤いのが悪いんだから」
「俺のせいかよ」
笑いながら手を離された。
心做しか自分の頬が熱い。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢々煙 | 作成日時:2017年10月15日 20時