13話 ページ13
「…ここが第二校舎…」
百聞は一見に如かず、と心の中で決心した私は第二校舎の入口付近に来てごくり息を呑む。
1組の私にとっては用事の無い限り2度と来ることは無かっただろう。
何せ1組と2組は進学クラスであり、その他のクラスと場所が離れている。
その他の全クラスは第二校舎だ。
そして何より普通クラスは荒れているのだ。大袈裟に言うが優等生の集まりのような特進クラスの人達は第二校舎に近づく事はまず無い。
まあアーサーを例外として。
アーサーは自身が金髪、元ヤンな事もあり驚く程に馴染んでいる。
生徒会長としてたまに第二校舎に出向いてはそこらじゅうの生徒に怒りながら巡回している。
女子には人気らしいが男子には不評を買い、よく喧嘩を売られては勝利を飾っているそうだ。喧嘩すんな。
例外は置いといて
髪がカラフルだらけの校舎に真面目な特進クラスが足を踏み入れたらまず浮く。
面白みたさにちょっかいを掛ける第二校舎の人達に群がられるわでそれはもう狂気の沙汰だ。
アーサーに生徒会のヤツさえ無かったら着いて来てもらったのに…
1度深く息を吐く。いざ。
1歩足を踏み入れると外まで聞こえていた雑音が大きくなり、一つ一つが鮮明に聞こえる。
教室内ではタイマンを張ってる人達や窓から下に向かって罵声を浴びせてる人。ギャーギャー騒ぎながら化粧をしている人。
とてもカオスな感じです。
俯き気味で足早に歩いていると前方から声を掛けられた
「1組の子でしょ君。こんな所でどうしたのかな?良かったらお兄さんと一緒にランチでもどうだい?」
「いえ、人を探して…」
なんで私のクラス知ってんだ。
この人アーサーの言ってたフランシスくんだよね。生徒会はどうしたんだろう
フランシスくんの話を断ろうとしてたらだんだんと人が集まってきて話を遮られる
「わ、何その子ー!親分純粋な子めっちゃ好きやで〜トマトいれへん?」
「髭の彼女かこのやろー」
「…んー、そうそう。俺の彼女ー」
「え、ちがいます…」
「ちげーじゃねーか。ではお嬢さん美味しいパスタでも一緒に…」
「お前等群がるなある!お前もわざわざ第二校舎に来るなんて阿呆すぎあるよ」
「特進クラスの子だあ、可愛いね。俺とジェラート食べに行こうよ!」
…収集が着かない
そして何故か敬語になってしまう私のヘタレ
どうしよう…アーサーを無理やりでも連れてくれば良かった
囲まれている人達に質問攻めにされる。
私1人ではどうする事も出来なくて泣きそうだ
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作者名:夢々煙 | 作成日時:2017年10月15日 20時