Awesome Ordinary (ページ21)

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マークと眠った夜ページ21

　
疲れた。
そう思うとなぜかマークの隣に行きたくなるのはデビューしてすぐのころから。

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朝からダンスの練習に行き、夕方からはなれないドラマの撮影現場。
撮影後にもう一度練習室に戻ってみんながやったところまで振り入れ。

セリフにダンス。私の脳のキャパはきっと限界だと思う。

もう少し早く帰る予定だったのに思うように振りが覚えられなくて遅くなってしまった。

静かに宿舎の玄関を開ける。

さすがにみんな寝てるだろうと思ったのに、マークの部屋から明かりが漏れていた。

「ただいま」
Mk「びっくりした、」

ベッドでギターを弾くマークに声を掛けたら驚かせてしまったみたい。

Mk「今帰ってきたの？」
「ん、」

ベッドに乗ってマークの背中に頭を乗せる。

Mk「シャワー浴びてきたの？」
「うん、練習室で」
Mk「また練習室にいたの？」
「振り、覚えなきゃだから」
Mk「頑張るなぁ」

ぽろぽろとなるギターの音とマークの背中の暖かさが心地いい。

Mk「痩せたね」
「役作り」
Mk「嘘つけ」
「ほんとだよ、病人の役だから」

マークと2人で話すのは久しぶりかもしれない。

撮影現場で珍しく人見知りしてしまった話とか、振りが覚えられない話とか、
練習室に靴を忘れてきた話とか、
話したいことはたくさんあったはずなのにどんどん瞼が重たくなる。

考え事が多かったせいか、最近あまり眠れていなかったから、この心地よい感覚が久しぶりだ。

マークならどうにかしてくれる、とそのまま意識を手放した。

Yt「Aーマクー起きろー」
ユウタくんの声で目を覚ますとすぐ横にはマークの顔。

「マク、朝」
Mk「ん、もうちょっと寝よ、」

起き上がろうとした私の肩をぐっと引き寄せ、またスースーと寝息が聞こえた。

「ユウタくん、あと15分」
Yt「ん、朝ごはんできとるからなー」

もう少しだけ、この安心する暖かさに包まれていたいと思った朝。