今日はペアルック ページ2
ヘアメイクとしてアシスタントからデビューして、何度現場を経験しただろう。
時々当たり前のように感じてしまう日常も、あの頃は夢の現場だったと思い出せば気合が入るけど体の疲れが取れるわけじゃない。
今日はお気に入りのTシャツに黒のスキニー。
職場の鏡でラフすぎたことにようやく気付いた。
目を覚ますためのカフェラテにストローを挿せば、遠くから聞こえてくる数人の話し声と足音。
Ty「おはようございまーす」
Jh「おはようございます」
Hc「ヌナアンニョーン！」
Mk「おはようございます！」
127はメンバーが多い分、前半後半に分かれてメイク室にやってくる。
今回はこの4人が前半メンバーだったらしく、テヨンは眠そうに、後の3人は朝早いのに元気よく入ってくる。
「テヨンオッパから始めましょうか」
私の担当する席にはテヨンオッパが、隣のオンニの席にはマークが座ってメイクを始める。
「オッパ眠そうですね」
Ty「あー、仕事だってわかってたのに寝れなくて」
「マッサージします？」
最近会うたび元気がないように見えるオッパが心配で肩から首、頭のマッサージを始める。
Ty「寝そう、」と笑うオッパに「いいですよ」と声をかけ、ブランケットをかける。
すぅーっと寝てしまったテヨンオッパのメイクを始める。
アイシャドウを塗っても、髪を巻いてもぐっすりなオッパ。
「オッパ終わりましたよ」と横から声をかけても起きる気配はない。
起こすのはかわいそうな気もするけど、この後のメイクも詰まっている。
マークには「無理矢理起こしたら？」と笑われたけど、肩をたたいても起きないオッパを見ていると寝かせてあげたくて。
そんな状況を聞きつけたヘチャンがこちらにやってくる。
Hc「ヌナが良ければ俺あっちでもいいよ」
指を刺してくれたのは隣の部屋。
メイク道具を移動させるのが面倒かと思ったけど、ヘチャンがぱぱっと手際よく片付けて、荷物を持ってくれたおかげであっさりと隣の部屋に移動した。
「へチャンお待たせしてごめんね」
Hc「ううん、テヨンヒョン最近寝てなかったから、あ」
「ん？何かあった？」
コテを温めながらベースメイクをする。
Hc「ヌナ見て」
指を刺す先には着ていた上着を肩まで脱ぐヘチャン。
よく見ると私のTシャツと同じブランド。
「あ、おそろい」
Hc「この衣装可愛いと思ったんだ〜」
「可愛いよね！私もここのTシャツ３枚かな、持ってるよ」
Hc「ヌナここ好きなの？」
「うん」
Hc「かわいいね」
「うん。おきにいり」
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作者名：メリッサ | 作成日時：2022年8月3日 20時
