【男主】トモダチ【ツイステ】 (ページ24)

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距離ページ24

「お前の持ってる便利な薄い板で調べればいいんじゃないんですか」
ジェネレーションギャップに近い何かを感じながら、ggrksを婉曲しながら言えば、イラッときたのか、巻き付く彼は中指を立てたり、首を切るジェスチャーをしたり、サムズダウンをしたりと、ツイステッドワンダーランド各国の"くたばれ"のハンドサインを容赦なくしてくる。
いつもだったら僕も舌を出したり、下まぶたを引き下げたりして侮辱するのだが、なんせやる気が出ない。
そのままぼうっとしながらパンナコッタを一掬いした。

「なんか今日顔色悪くね？」
意外な一手に驚き、自分の腰あたりに目を落とせば、半分溶けているが、本質を穿つ鋭い瞳は健在の男と目が合う。
「つーか、最近体調悪いの？四六時中反応ワリーんだけど。なんかつまんねー」
彼がゆっくり僕から離れて起き上がるのをただ見つめる。

"つまらない" : 興味が持てない・とりあげるだけの価値がない・取るに足らない・下らない

容赦ない追撃の言葉の衝撃を誤魔化すように、僕は無駄なまばたきを何回かした。
そして彼の言葉を頭で理解した瞬間、体を巡る血液がサッと冷えるような感覚。
気分屋の彼のことだ、今日友達でも、明日友達である訳では無いかもしれない。しかも、現時点でつまらない烙印を押されてしまっている…。
フイと、彼から目線を外して前を向く。

「そう…。つまらなくて結構。別に面白くありたい訳でもないし」

でも口から出る言葉も、態度も、いつもフロイドを突っぱねてしまうものだった。自分でもなぜこうなってしまうか分からない。彼相手だと、どうにも上手く自我をコントロールできない。どこか冷静じゃいられない。

そんな自分が本当に嫌いだ。

僕は彼の返答が聞きたくなくてユニーク魔法を使って、時を無理やり止めた。
途端、頭がぐら、として机に肘をつく。いきなり立ち上がった時みたいに、視界が黒ずむ。
数回横隔膜を動かし、吸って吐いてを繰り返しては、息を整える。
これは、確かに、体調が悪い。

ある程度時間が経ってから机にあるもの全てを平らげた。容器を洗って、バイト用の服を着替え、タイムカードを差し込んで、ようやっとモストロラウンジを出ようという時に、時間を進めた。

どう考えても自業自得なのに、現実を見るのが辛い。僕を好きではない状態のフロイドは怖い。何より自分の心が弱い。そして暗い。

「うだうだしてんじゃねーよ…」

呵責の念が湧いては消える心の波形を僕は僅かに感じ取った。

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