【男主】トモダチ【ツイステ】 (ページ19)

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天使ページ19

突然ですが！さぁ僕は今、学園のどこにいるでしょ〜か！！シンキングタイム10秒差し上げます！10…9…2…1…終了！！こっこで〜す！こっここっこ〜！ここでございま〜す！！！正解はですね！校舎裏☆

…でサバナクローの不良に絡まれています。急に地獄か？でもNRCじゃ日常茶飯事！逆に今までよく絡まれてこなかったよ。

なんかこの方、やり口が汚くて何かと恨まれるオクタヴィネルのあの三人と因縁があったらしく、何故か僕に喧嘩を売ってきた。何かあれば時間を止めればいいだけだ。
…確かにあの三人はバットボーイズだけど、怒りの矛先違くね？直接言えよ。
ってそのまま伝えたらカチンときたのか、さらに彼の炎は燃え上がったようだった。

「はぁ！？てめぇフロイド・リーチのオトモダチなんだろ？！「えっ」……えっ？｣
「え、僕とフロイドって…友達なの？」

僕があまりにも驚いて素に戻ってそう零すと、不良は何か衝撃を受けたのか、さっきまでの勢いは失われてしまった。

「は、し、知らねーよ。そんなの当人の間でしかわかんね「えっ！じゃあ！他人から見たら！？他人から見たら僕達、友達に見える…ってコト？！？！」見える！見える！から！肩掴むな！揺らすな！！！｣

大声で問い詰めながら不良の肩を両腕でグッと掴み前後に揺らすと、呻き声と共に苦しそうに本音を吐いた。これじゃどっちが悪いヤツかわからない。

「てか、放課後とかよ、昼食の時とかよォ、いつも結構一緒にいて、それで友達じゃねぇのかよ」
「えー！やっぱり、やっぱり友達っぽいよね！そうだよね！ね？ね？！」
「いや、だから知らねーよ！！！」

友達の可能性、それだけで、友達ができたことの無い僕の感情は摩天楼をゆうに超えるほど昂り、全てのことに感謝したくなり、全てのものを愛したくなった。そして世界は輝き、美しく見えた。目の前のワルも頭にフィルターがかかっているのか、羽が生え、ラッパを吹き、たおやかなヴィーナスの周りを飛ぶ天使に見える。いや、クマの獣人だけど。

サバナ寮生は心做しか完全に悪意や敵意などが抜けて、逆に疲れてげっそりしているような気がしたが、気にしない。
彼のだらんと横に投げ出された両手を優しく掴み、ぎゅっと心を込めて握る。

「名も知らぬサバナクローの獣人さんこと天使！ホントにありがとう！今度お礼するからモストロラウンジおいでよ！」
僕が100善意でそういうと、クマさんはわなわなと体を震わせ、"本末転倒だ！！！"と言って消えてった。