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侵略者 ページ17

モストロラウンジも軌道に乗り、入学したての秋からあっという間にスプリングホリデーは終わって、もう季節はすっかり春へと移行した。
完全に慣れた一人部屋のベットに1人寝転がり、今年はまだ四ヶ月程残ってるのか。と指折りで数える。

期末テストが終わってからこの直近三ヶ月、色んなことがあった。良くも悪くも交友関係も変わったし、生活も変わった。
全てはあの巨大ウツボのせいだ。
あの男は間接的にとは言え、僕のユニーク魔法発生のきっかけとなった奴だ。その出会いは時渡りで無かったことになったが、結局彼と僕は相見える運命だったのか、今は互いにモストロラウンジで働いているし。
あの台風みたいな人魚は僕の心を荒らすだけ荒らして、本当に全てを変えてしまった。
現に僕の一人部屋にはちょくちょくフロイドの私物の持ち込みが見られる模様。

僕こと、リポーターはベットからスタリと演技めいた風に立ち上がり、部屋の対にあるベットへと近づく。

こちら、見てください。サイドテーブルには彼の置き時計が置いてあります。完全に僕の趣味じゃない!
そしてベットの上は自身の体よりかなりオーバーサイズの服が散乱していますね。えぇ、えぇ。非常に発育がよろしくて結構!そう思いながらも勝手に手は服を畳んでいる。バイト仕込みの手早さだ。
そして次!ここは一応僕の陣地の机な筈なんですが、どうしてでしょう。アイツがアイツの金で買って食べてたのには文句は言いませんが、途中で飽きた食べかけのお菓子!それを僕の部屋、それも勉強机に置いていく傍若無人さ!ゴミも捨てなさい!
極めつけにはココ!そう言いながらタンスの扉をガチャリと開ける。何この服達!何この靴達!

わー!!と意味もなく体をタンスに突っ込む。馴染みの匂い、珊瑚の海産人魚フレーバー。
センスはいいけど僕の趣味じゃない!貸してもらおうと思ったけどデカくて着れない!履けない!

体から力が抜け、やおら床へと五体投地する。
完全に部屋を私物化し始めている。
僕の交友関係も生活週間も飽き足らず、とうとうパーソナルな部屋まで侵略を始めてきたあの男の顔が浮かび上がり、ドンッ!とグーで床を叩いた。
下から"ウルセェ!ブス!(ブスはポム寮特有の悪口)"とポムフィオーレにあるまじき野太い声が帰ってきたが無視する。

クッソーあいつ、ジェイドと喧嘩した時だけ僕の部屋泊まりにきやがって…。いや、最近は用がなくても頻繁に来るようになった。
はァ。とため息をついて起き上がった。

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サジャ(プロフ) - 毎回楽しみに見ています!作者様のペースでこれからも更新頑張ってください!毎回見ていてとても楽しいです! (2022年2月15日 0時) (レス) @page24 id: a6f9474135 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふねぬい | 作成日時:2022年2月6日 22時

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