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秘密□気安さ ページ16

もうオクタヴィネル相手に対価無しに単身直撃。という悪手を取っていることは自分でもわかっている。でも、日にちを置けば置くほど言いふらす確率は高く、すこぶる良くない話だった。

心臓はうち鳴らされ、膚は粟立った。
そして裁判長フロイドが僕の価値と口止めの価値を計りにかけて審判を下すのだ…。そしてガベルは振り下ろされた。



そうして無事、モストロラウンジのキッチンでの労働と引替えに僕一人の秘密は邪悪な彼との二人の秘密として共有されたわけだ。
皿の泡共を水で完全に洗い流し終わり、汚れがないか確認してから乾燥機へと手際良く入れる。
僕がユニーク魔法を使って同じ一日を繰り返したとしたら、当然バイトの量も比例して増える。だから無駄に経験値を積んでおり、多分他の人よかは使える人材…でありたいと思う。

そういや、アズールが前のテストでイソギンチャク達と引替えに学園長に設立の許可を貰ってたということを思い出す。だから彼らを見ただけであんなに怯える人が増えてたのか。はぁ…つるかめつるかめ…。

手をパッパと布巾で吹き、もう今日はあがりだ。さぁ着替えよう。がしかし、今スタッフルームに行くとフロイドとジェイドがパンツ一丁でミュージカル茶番をしている。しかも数分に渡るウザ絡みをされるのだ。パンツ一丁にされかけたし、もう間男役はカンベン。
それを知っているのは勿論一度時を戻したからだが。

スタッフルームから響くビブラートのかかった美声をどうしてくれよう。他のスタッフも震えて笑いを堪えているが、笑うと何故かフロイドにブチ切れられるのだ。もしかして…本気でやってるのか?

だんだんクレッシェンドがかかっていく二人のセリフに気付かないふりをしながら、グラスに細かい汚れが付着していないか最終確認する。こうして数分待てばアズールがやってきて多分二人をツッこんでくれるはずだ。

「なぁ。アレいつ終わるんかな?」
とバイト仲間から親しげに話しかけられる。同級生のオクタヴィネル寮生だ。多分、エイの人魚。
僕はあの日錬金術で盛大にやらかし、その二日後、モストロラウンジでバイトを始めてから人に話しかけられることが徐々に増えていた。
「そろそろ支配人が来る頃だから大丈夫」
と少し笑いながらも手をとめず、言葉少なに答えると、エイ君は少し物珍しそうだが、機嫌は悪くなさそうに下唇をとんがらせた。彼の癖。
「なんかお前さ、未来視でもできんの?だからサングラスかけてんの?」
「はぁ?」

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サジャ(プロフ) - 毎回楽しみに見ています!作者様のペースでこれからも更新頑張ってください!毎回見ていてとても楽しいです! (2022年2月15日 0時) (レス) @page24 id: a6f9474135 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふねぬい | 作成日時:2022年2月6日 22時

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