【男主】トモダチ【ツイステ】 (ページ15)

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秘密ページ15

それからすぐに保健医に頭を下げて保健室を後にした。
鏡舎までの帰り道を一人歩く。
まだ朝の早い時間らしく、周りは暗くて誰もいない。西に薄ら月が浮かんでいた。流石にサングラスは胸ポケットにかける。

とりあえず目前の問題は、昨日の朝にはもう戻れないため直接フロイドに懐中時計、いや、ユニーク魔法？のことを口止めしなければならないということだ。
なぜなら、彼には細かい構造まで知られてしまったわけだし、ここぞと言う時に決定打として使えなくなるし、切り札はなるべく多く持っておきたい。
僕はポケット越しに時計を見て、ため息をつく。
これがユニーク魔法なら、今まで湯水のようにバンバン使ってたけどちゃんと回数制限しないと不味くない？

あーもう、めんどくせぇよめんどくせぇ。頭を無造作に掻きむしる。部屋に帰ってゆっくりお風呂に浸かろう…。

その日の昼、クルーウェル先生にお礼と謝罪と反省文をたてまつった後、フロイドが一人になるタイミングをコソコソと伺っていた。
彼はもう一人のリーチと一緒にいることが結構多く、何かと頭のキレるアズール・アーシェングロットを二人で支えているように僕は見えるが…。分からない。ただの利用関係と言うには関係は深すぎるとは思うけど。
ホラ、今も3人で歩いてる。
廊下にいる同学年らしき人々は、怯えたようにビッと端に寄った。それにしても前より周りの反応が指定暴力団オクタヴィネルを恐れているように見えるのは気の所為かな…？と首を傾げた。

そしてフロイドが一人になったタイミングは放課後だった。一日中彼を見張っていたから正直疲れた。
また三人になってもたまらない。僕はそそくさとフロイドのいる中庭へと急ぎ、こっそりと声をかけた。

問題の主は僕の小さな声に気づいたのか、緩慢な動作でこちらを見て、待ってました。と言わんばかりの顔をしていた。
「あれぇ？ルブラちゃん。どしたの？」
「どうしたもこうしたも何も。お前、わかってるくせに」
フロイドのわざとらしい上擦った声に眉を顰めると憎たらしい人魚はケラケラ笑った。
「まぁ、熱烈な視線、一日中よこされちゃね〜」

ゲ…やっぱバレてたのかよ。と僕は声を発して首を振る。それで中々一人にならなかったんだな。
フロイドは未だニヤニヤしており、それが僕の癪に障る。
僕はため息をついてこれからダメ元で言うことに覚悟を決める。

「あのさぁ。俺のユニーク魔法のこと、言わないで黙ってて欲しいんだけど」