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秘密 ページ13

飛び上がって自分の足元を見ると、時間が止まっているはずの人魚の大男がこちらを見ており、爛々とした瞳としっかり目が合う。
安心していたはずの僕は肝がさっと冷え、顔は青くなった。灰色の脳みそを頑張って稼働させて思慮を必死に巡らせた。

…そうか!完全に失念していた!自分が触れているものは時が止まらないんだった。
おわぁ…と自身の完全なる敗忘と過失に頭を抱えた。
これは時渡り確定だ…。
後悔の念に駆られていると、ゲラゲラと笑う声が時の止まった教室に鳴り響いた。平常心をすっかり崩された僕は表情をいつもの仏頂面に無理やりにでも戻して顔を上げる。

「ルブラちゃん、表情もユニーク魔法もおもしれ〜!」
「?…ルブラちゃんって…もしかして俺の事かよ」
僕は彼の突然の"おもしれー男"発言と妙な呼び名に怪訝な瞳を向ける。熱帯魚の名前を人のあだ名につけるか?普通。
「そー。目が真っ赤だから。それともプラティの方が良かった?」
「どっちも嫌だが」
そう毅然とした態度でピシャリと言い切りながら元凶の目をサングラスで隠すと、フロイドは"え〜"と文句ありげな顔をしたが、多分やめないだろう。
「…つーかユニーク魔法って?」

まぁ、表情のことは自覚している。NRC産ヤンキー共にナメられたくないがためにわざわざ元の自分の態度や一人称をも偽り、学園でいつも無愛想・無表情で通してる僕のことだし、素顔自体サングラスで分かりづらいから一旦脇に置いておく。
でも、魔法って?これってただの魔法道具で僕の魔力とか魔法には関係ないんじゃないの?現に魔力が無い人でもゴーストカメラが使えるわけだし。

「とぼけんなよ。それでしょ?魔法石が反応しまくってるじゃん」
いきなり雰囲気の変わったフロイドが口の両端をつり上げながら、人を蹴ったら一発で仕留めれるであろう屈強なながーーい足を伸ばしてゆっくり立ち上がる。そして僕の首からかけられた懐中時計を指さした。

緊迫の時が二人の間に流れた。

"え!?マジ!??そうだったの?!!知らんかった!!"という本音が口から飛び出そうになるけど必死に堪える。使ってる本人が分からないとか恥ずかしすぎる。しかも、一筋縄では太刀打ちできない。フロイド・リーチ。バレたら絶対笑いものにされるだろ!
まぁ、別に時渡りするから無かったことになるんですが。

フロイドがこれまたながーーい手を伸ばして時計を軽く持ち上げた。手の中ではアメジストの魔法石が光を帯びて輝いている。

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サジャ(プロフ) - 毎回楽しみに見ています!作者様のペースでこれからも更新頑張ってください!毎回見ていてとても楽しいです! (2022年2月15日 0時) (レス) @page24 id: a6f9474135 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふねぬい | 作成日時:2022年2月6日 22時

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